おんJシャドバ部

※このデッキはSTRアディショナル前のデッキです。

　至高の戦神・オーディンの追加によって遂に不遇の絶傑……もとい、不殺の絶傑・エズディアがガチカードと化した……ちょっと待って！　人の話を聞きなさいよね！
　事前評価アンケートではリメイクカード最低点の2.90という微妙な評価の至高の戦神・オーディンだがこの辺にぃ、おでんに2付けたリハクがいるらしいっすよぉ？、彼は攻撃力は4、進化すると6の疾走である。……ん？　エズディアの効果は相手リーダーの体力最大値を6にする。おでんの直接召喚は10T以降。エズディアのコストは10。なんだよデザイナーズコンボじゃねえか！
　あほくさ淫バでやれと思う気持ちをぐっとこらえてとりあえず読んでいって欲しい。割とメタとか直接召喚の条件達成方法とかガチで考えて完成したデッキだしね。

不殺の絶傑・エズディア	相手のリーダーの体力最大値を6にするという派手な効果を持っている(割にエフェクトはしょぼい)他に類を見ないフィニッシャー……だが10コスという重さがあまりに遅い為に実装から今に至るまで活躍の場を与えられなかった。リザで確定サーチできるのでピン刺しでOK。不忍って仮面付けてそう
至高の戦神・オーディン	かつてセラフとバハを消し去っていた彼がスタッツそのままに攻撃的になって帰ってきた。直接召喚の条件は10T以降に進化6回！ 当然進化権は最大3しかないので自動進化や無償進化、進化権回復を使っていかなければ彼を出すことはできない上、エズディアとのOTKの為には進化権を1つ残す必要がある。無理ってやってもいないことだろう(強者の威風)
無窮の輝石・カーバンクル	絶対強いと言われてたが割と普通だった通称カバンちゃん。不殺の使徒と組み合わせて進化権を回復していく。後攻4Tのカバン進化幕開けは黄金ムーブ。
ホーネットクイーン・バビー	お前ネタレジェ突っ込んでるだけだろ！ だから待てって言ってるだろうがﾋﾟｷﾞｭ進化権を使わずとも確実に二面処理をこなしてくれる有能ウーマン。8コス払ってフィニッシュ力がないのは問題だが後ろのエズおでんの着地を盤石にする陰の立役者。地味に攻撃6なのでおでんが出なくてもバビーが生き残ればリーサルが取れる。
クイーンセイバー・シンシア	文句なしのパワカ。無償進化付与に加え本人が進化しても普通に強いというALTのレジェがゴールドに見える性能を持っている。6Tよりも8Tに2コスとくっつける方が多い。
森の女王・リザ	積み得サーチフォロワー。出せないと意味ないが手札に被っても無意味なエズとバビーを1枚ずつ持ってこれる為構築の安定化に大きく貢献している。既に引いてしまっている場合でもシンシアを持って来るので終盤までの動きは約束されたものだ。
不殺の使徒	煌めきを引きに行ける&回復を担うキーカード。煌めきは100%サーチできるわけではないのだが後述するように刻印も腐りやすいが便利なスペルなのでハズレとはなりにくい。また今環境は1/1が並びやすいこともあり回復量も保証される(アグロが処理できず二体目が出るともれなく爆散する)。
天禀の射手・メーテラ	手札はフェアリー型に比べて増えないものの、セレスやトランプルを綺麗に処理できる唯一のフォロワー。また今環境は交戦時効果が活きやすく、2ドロー以上出来ることも多い。二面処理は正義。
高貴なる猫姉妹・シャムとシャマ	チョイス先のどちらも非常に優秀。盤面ロックや刻印へとつなぐまなざしや削られた体力を回復できるいたずらは状況によって取る方が変わるが、基本はまなざしになりやすい。また2/2に対してリザが出しづらいような状況でも役に立つ。

雷鳴の軍神・フニカル	ワイのリハクカード2。進化するとラスワで進化の回数分のダメージをランダムに飛ばすのだが、まず本体だけでも1点が確定しており、終盤では4〜5点のラスワとなる為大型にも上から取られづらくなると非常に優秀。ただし2Tに置く分にはバニラであり、進化ターンにおいてもカバンやメーテラが控えている為2積みが妥当と筆者は考えている。
火焔の軍神・ヤヴンハール	ワイのリハクカード3お前らマジでゴメン。恐らくこのデッキの最大のポイントでありヤヴンをいかに自動進化させられるかがおでん召喚につながってくる。交戦時2点は上から取るだけでなく体力5を倒したり処理を困難にしたりするのに大きく活躍する。5Tでのヤヴンフニカル進化を綺麗に上から取れるフォロワーがほとんど存在しないことからもそのパワーが理解できよう。
心読む少女・ミツェル、不殺の狂信者	不殺の刻印を生かす為に採用。地味にミツェル殴りをしつつ狂信者を出していくのが並べたがる相手に刺さりやすく、伝説の幕開けとの相性もいい。採用しているフォロワーは基本的にケツがでかいのでデバフの効果が活きやすいのだ。
不殺の刻印	0コストキャントリップ消滅と書いていることは強力だが条件が攻撃力0のフォロワーのみであり、ミツェルや狂信者が引けないと完全に腐るカード。しかしそれを考慮してもミツェル後にリザなどを出しつつテンポロスなしで除去できるのは唯一の効果であり、アドが取れればかなり強い。これを採用しないと煌めき確定サーチが作れるが、筆者は使徒を出しておいて好きな時に使えるのだから実質デッキ圧縮効果があると考えている。
伝説の幕開け	必殺を付与するという単純にして強力なカード。ミツェルに乗れば延々と有利交換をし続ける鬼が出来上がるがメーテラ、使徒、シンシアに乗っても非常に強い。その為先攻でライラ幕開けと見えていたとしても返すこともある。
アーボリスト・ライラ	フォロワー版調べとして使われているが、このデッキでの運用は主に進化フォロワーの強化として余った1コストを埋めることにある。先攻でのメーテラやカバン、シンシアへのバフによって少しでもテンポが取れるようにというのが採用理由だ。シンシアとの絡みならウォーターフェアリーの方が7Tに無償進化付与出来て強いのでは？　と思うかもしれないが7PPなら他に強い動きもあるしフェアリー自体欲しくないのでやっぱりライラかなという感じ。リザサーチはこいつなのでリザ→シャムシャマ進化ライラという択もある。

　最優先は2コストフォロワー。これだけ。2コストが見えてないならリザも幕開けもとりあえず返す。流石に後攻ならメーテラはキープした方がいいが、このデッキ4T以降ほぼ事故が起こらない構成になってるので一番不味いのが2Tパスである。
　2コストフォロワーが見えている場合は分岐があり、フニカルなら3コス、ミツェルなら幕開け、狂信者なら刻印、リザとヤヴンは常にキープ。ヤヴンは3Tに置きたいわけではないが、ヤヴンを自動進化させられないとおでん召喚がキッツいので。ミツェルと刻印を合わせない理由はスペルで除去されると無意味であり、狂信者ならフォロワーにデバフをかけやすい為。後は相手のデッキに合わせて丁寧に除去したり顔面詰めたりする。

　何としても2Tにフォロワーを置こう。狂信者はデバフがかかるので触りたくないしミツェルは倒さないとアドを稼がれるので優先的に倒される。リザさえ引ければ後はメーテラ、カバン、使徒、シンシアとテンポよく出していくことが出来る。ヤヴンフニカル進化も強力なので出せる時は積極的に使っていこう。また時には進化置きが勝負を分けることもある為、シンシア、使徒辺りはそういったことも考えると確実に勝率は伸びる。
　ではどうやって勝つのか。エズディアおでん進化……はあくまで理想の1つ。このデッキの最大の強みはミッドレンジ力の高さである。優勢であれば多少顔面を犠牲にしてでもシンシアで顔進化したり、刻印を使ってアドを稼いでいくことで盤面を取ったりとやれることが多く、後攻からまくる為の要素も十分に採用してある。それ故に盤面を取り返されるようなカードはあらかじめ予想し、進化置きをするなり処理の仕方を考えることが重要になってくる。例えば次の局面(現在進化回数は4回)。

　一見バビーで必殺を一体残しつつ顔面を詰める手もありそうだが、それは破滅のサキュバスで完全に返される可能性が高い。ここはミツェルシンシアミツェル進化ヴァルツ殴りシャムシャマヴァルツ殴りなら破滅のサキュバスが来ても2体残り、進化を切ってきても1体残るのでそこでリザシンシア(リザが倒されれば持ってこれる)が強力かつおでん召喚の条件を満たす。相手の手を読むというのは基本的なことだが、ミッドレンジデッキを使うならばより強く意識したい。

• 対エルフ

　敢えてここでコメントすると機械エルフは軸として成立していない。マシンランスエルフやコルワエルフは対策が容易であるし現時点で脅威になりうるのは低コス機械を取り入れたアグロ翠嵐エルフだが、あっちはネクロにまず勝てないのであまり流行らないか。エズディアOTKが意外にも増えてきた印象。守護がなく対策という対策はないので先攻握って先に決めるぐらいだろう。

• 対ロイヤル

　機械ロイヤルは回られると処理しきれずに負ける為やや不利対面。しかし今のロイヤルはミッドレンジロイヤルが主流であるためそちらに対しては顔を詰められ過ぎなければ割と苦戦せずに勝てる印象。シンシアやヤヴンなどがよく効いている相手。

• 対ウィッチ

　マナリアウィッチは以前ほどのパワーはない上多少の展開はヤヴンフニカルメーテラで問題なく返せる。大魔法の打点も10Tでは足りないということが多い為かなり楽な相手か。
　他に出会ったデッキは滅亡の預言や絶望のキマイラを採用した無貌ウィッチだが、これはミッドレンジの動きで倒しておかないと後ろに行けば行くほど相手が有利になるのでやや危険。ただしウィッチ自体やはり今は辛いか。

• 対ドラゴン

　サタドラは相変わらずお祈りゲーだが、ネクロヴァンプロイヤルの台頭によってやや減少傾向。フェイスドラはこの構築のままでは対策しきれないので、採用カードを変えていく必要があるだろう。優秀なドローソースを持っていない為ジリ貧にさせればこちらの勝利が近づく。大体五分。

• 対ネクロ

　最強クラスのアーカスネクロに対しては先にOTKすりゃいいんだよ！　と考えよう。アーカスを出した後は守護が立たないので先にやられなければこちらの勝ち。むしろ腐ァフニールやハザードネクロマンサーの方が厄介であり、やはりこの構築では対処しきれない。全体的に強いクラスということもあり不利という印象が強い。

• 対ヴァンプ

　機械軸も蝙蝠軸もよく見るが、どちらもそれほど分が悪いとは感じない。機械軸はモノ特化が一番厄介なのだが破滅サキュバスやNを採用している型だとフィニッシュターンが遅く巻き返しも可能なため五分といったところか。蝙蝠は自傷手段が少ないとはいえヴァーナレクが走り出したり翼ヴィーラが現環境に強いこともあり押し切られることもある為不利要素が強い。流石回れば全対面有利といったところか。

• 対ビショ

　ある意味ウィッチばりに見ないかもしれない。天狐ビショップは守護を並べてくるとはいえフィニッシャーが存在しないデッキなので大体勝つ。ヘヴンリーイージスが出てくることもあるがアレが間に合うことなどそうそうないので気にすることはない。チェキババセラフをリモニで下げてくるタイプは回られると流石に無理。だが実際やってみると全然上手くいかないので脅威というほどでもない。

• 対ネメシス

　AFやダインで健闘しているようだがヤヴンでゲロ吐いてるのでダメそう。シンシアも強いし。

　メイシアに代表される「進化権があればOTK」という部類の中で、このデッキは非常に難しい問題を抱えている。単純におでんに進化権を残すということは進化を7回するということであり、シンシアを2回かカバン使徒を2回、ヤヴンやエンハフニカルで2回は無償進化を行わないとまず直接召喚は達成不可能。先攻ではこれでも進化権が1つ足りなくなるので進化を渋るのかというと、そんなことを許してくれるほど周りは甘くない。シンシアを進化してでも盤面を取らなければならない状況は確かにあり、早い段階からおでんの直接召喚を狙っていくのか、ミッドレンジのパワーで削り切る方針で行くのかを考えなくてはならず、ぶっちゃけこの塩梅が対戦においてもめちゃんこ難しい。
　しかし現時点でもデッキのパワーや噛み合わせは我ながらハイレベルにまとまっており、アディショナル等でより一層の強化ができる余地が大いにあるのも事実。何と言っても採用カード全てBOS以降なので次環境も使えるという親切設計。バビーやエズディアを引いちゃったけど使ってないという方は、是非この風変わりなエルフを遊んでみて欲しい。

「使えない」と思っていたカードが考え方次第で「使える」ようになるのが、構築を考える上で最も素晴らしい瞬間だと思う。今回冗談で言っていたエズディア・オーディンOTKというロマン砲を考える内にそれが立派なフィニッシュプランなんだと気付かされた時の感動は言い表しようもない。つかの間杯で準優勝という結果を以て、筆者はシャドバプレイヤーに「エズディアを警戒」させたいという願いを込めて、ここに筆を執った。

『駆けよスレイプニル、ここが我らの戦場だ』