最終更新: oodonndokodonndoko 2024年02月15日(木) 21:53:21履歴
ある日、ウィルバートのおちんちんが突然行方不明になっていた。
タマタマの付け根が薄ぼんやりとしたもやに包まれていてあるべきはずのモノがない。
さてはギンセツの仕業だなと問い詰めてみるも、「こんなとこで脱ぎはるなんてびっくりしてもたわ〜」と、大妖狐はシラを切る。
「おちんちんはんなんて知らへんよ」と、頭を振るギンセツをウィルバートはそうか、と素直に信じた。
腰の高さには丁度立っていた座敷わらしの小さな頭あったがおちんちんの所在が不明のウィルバートにとってそこに教育的な問題は何も無かった。
おちんちんはんの先っぽ探しまひょ、と二人は出かける。
落ちているおちんちんはないか、妙な出来事はなかったか村々を巡って聞き込みに回るもそれらしき話はない。
街道を回ってタピオカをせがまれ、市場を巡り団子をせがまれ、路地裏を物色してアクセサリーをせがまれもう駄目かと思った夕暮れの帰り道。
ついに宙に浮いているおちんちんを発見する。
「あったあった〜」、と喜ぶギンセツ。無邪気に駆け寄ってそれを手にすると、
「怖かったなぁ〜もう大丈夫やで?」とおちんちんを優しく労わり頬ずりをした。
その光景にウィルバートはぎょっとする。
みつかったおちんちんに躊躇なくギンセツは触れるが、これはどういう状況だ?
当の自分にはおちんちんを触られる感覚など無い。
これは何だ?安全なモノか?本当に自分のおちんちんなのか?とギンセツに疑問を指摘するも、
「何言うてはりますの、どっからどうみてもウィルバートはんのおちんちんはんどす。」と、ギンセツは自分のおちんちん審美眼に自信。
ウィルバートも空中を漂う不気味な自分のおちんちんを注意深く観察する・・・。だがどうしてもそれが自分のおちんちんである確信が持てなかった。
誰しも中空にぶらさがったおちんちんを自分のモノと見抜くのは並ではなかろう。
特にコロシアム開催まで童貞であったウィルバートにとって、それはなおさら困難であった。
ギンセツとのたびかさなる逢瀬はウィルバートの珠のような白いおちんちんをほんのりきつね色に染め上げていたのだ。
絡みつくような蜜月の日々にリーダー付与は耐えられず、山札はめくれ、もはやファンファーレの認識対象外であった。
見慣れぬ自分の守護なしおちんちんにただただ不信を抱くウィルバート。
見かねたギンセツはウィルバートのおちんちんの特徴を挙げていく。
「このふわふわもこもこの白い毛は羊はんみたいやなぁ。あてのは濃くて剛毛やさかい、羨ましい思てますのん。このかわいい毛ぇが、あてのごわごわに絡み付いて抜け落ちてるのを見ると、なんだか申し訳なくなるんや。それとこの最近ようやくめくれてくれたシャイなお皮。あてを受け入れてくれた思うと、嬉しゅうなって。つい、ついばみたくなってまうんや。少し余り気味なこのしわも、唇あてとるとよぉ動くのがわかって味があるんよ。あとこの先っぽ。このはんなりさん。このコがええこでなぁ。あての愛し方いっぱい知っとるんや。いつも丁度いいところに納まってくれはるんよ。好き好きぎゅう〜抱き締めても負けへんで!って、ぱんぱんに膨らんでくれる頑張り屋さんやなぁ。」
あてが育てたおちんちんはん・・・と、ギンセツは得意気にそう呟くとおちんちんをたいそう大切に胸元に仕舞い込んでしまった。
ウィルバートは自分のおちんちんをそこまでみていたのか、と奥ゆかしくもドン引きする一方、ギンセツに抱かれた謎の自分のおちんちんがやはり気になってしまう。
ざわつく風と胸の内のままの帰路。仕舞われたおちんちんが気になってつい何度もギンセツの胸元を、チラチラとみやる。
その度ギンセツは、「あとでな。」と、そっと人差し指をたててウィルバートを制した。
もちろんそういうつもりで見ていたのではなかったのだがウィルバートがそれに言及することはなかった。
〜
慌しい夕餉の支度と酒呑童子との将棋の約束は一時であったがウィルバートからこの不安を拭った。
酒呑童子はようやく現れた飲み込みの早いこの好敵手の登場にほくそ笑み、火車は自分が教えた戦術が有効に活用されたことを大いに喜び、座敷わらしに次の対戦日程を決められ、雪女には座敷わらしとやる時は手を抜いてあげるよう耳打ちされた。
そうして夜も更けウィルバートが居室に戻ると、もはや定位置と化した自分の布団にギンセツがすでに潜り込んでいた。
隠し切れない耳が枕元からぴんと跳ねている。
大屋敷の主にはふさわしい部屋がいくらでもあるだろうに最近はすっかり入り浸っている。
気にかけてくれた子狐が布団を増やしたり、調度品を置いてくれたりしていたが取り払われている辺りギンセツが断ったのだろう。
風が吹いて開けていた障子を閉めた。それで彼女の匂いが濃くなったような気がした。
隣に腰を降ろして声をかける。
しばらくしてほら穴から小さな顔が出てきた。
すこしむくれている。
どうもウィルバートが妖怪たちに人気になりつつある現状に不満を持っているようだ。
「あてが連れて来たのに・・・。」、と零すと寝返り。つやつやの髪でまた顔が隠れてしまった。
ウィルバートは今日は自分の都合に付き合ってくれた事にまず礼を言った。
次に妖術で今回の怪異を解決できないか打診する。
ギンセツはまたも寝返り。くるりと向いたそこには待ってましたと言わんばかりのにんまり顔。
そして胸元からずっと持っていたそれを取り出した。
おちんちんである。
ウィルバートはそれを受け取ろうとス・・・と手を差し出す。
しかしギンセツはパッと手を引っ込めてまた胸元に隠してしまう。
「なんの為に戻したいん?」
顔を枕と布団で半分埋めながらギンセツは問うた。
「・・・。」
ウィルバートは答えない。
「ねぇ・・・?もどして、何がしたいん?」
ギンセツはゆったり上体を起こしてもう一度問うて来る。
首を傾いで肩にかかった髪が胸元に流れた。
よほど着物の奥へしっかりとしまい込んでいたのか、おちんちんを何度か出し入れしたギンセツの胸元は着崩れて深い谷間が露になっている。
ギンセツは何かを企んでいるような表情でウィルバートの顔を下から覗き込んだ。
ウィルバートは視線を切るように掛け軸に目をやると、少し考えてから、身体の一部を失っていることによる原始的な不安を説明する。
「ふぅん。」
彼女はしばらく黙ってそれを聞いていた。
しかし、すぐに飽きて御手元のおちんちんを弄り始めてしまう。
退屈そうに皮の先をパクパクと口のように動かしては、その中の亀頭のひくつきをじっと見つめる・・・。
ギンセツと目があったおちんちんがびっくりして思わずカウパー氏腺液を差し出した。
表面張力で強張る新人さん我慢汁を、ギンセツは宥めるようにゆったりと、指先で丁寧に救い上げる。
葉の上の朝露のように、ぷっくりと綺麗な形を保ったままギンセツの指先の上にお引っ越しを済ませたカウパー氏。
大家への挨拶を済ませた安心感からか、次第に輪郭が溶けて曖昧になっていく。
ウィルバートの長い話と平行して、ゆっくりとすこしずつ蕩け、滑らかな肌に吸われ、馴染み、そして消えていった。
「また会おな・・・。」
「・・・。」
寂しそうに、そう呟くまったく話を聞いていないギンセツをウィルバートは無視した。
おちんちん氏がそれならば、と大きな2滴目をしたたらせて再会を果たさんとしたまさにその刹那、それが滲み出て空気に触れるより先にギンセツの指がおちんちんの先っぽに栓をした。
「んー。さっきからどうも嘘くさいなぁ。」
ウィルバートは自分の口が塞がれた訳ではないのだが、なぜかその動きで口を噤んでしまった。
鋭い非難の双眸が、おちんちん越しにウィルバートを捉える。
「本当のこと、大事なこと。言ってないように見えるなぁ。」
「・・・。」
ギンセツはむにっと蓋した指を押し込み警告する。
図星を突かれたおちんちん氏が涙を呑んで固唾を見守る。
「なぁ?」
「・・・。」
「なぁおちんちんはん、どう思う?」
ウィルバートが答えられないでいると、今度は唐突におちんちん氏に質問が振られた。
ギンセツは半身、向きを変え、手に持ったおちんちん氏を口元に誘うと、手で隠すようにして彼とひそひそ話をし始めた。
疑いを含んだ形の良い流し目が、ずぶずぶとウィルバートを否定すると、おちんちん氏もそれに同調。
たまたまを握られたおちんちん氏は不思議とギンセツと同じ仕草をし、懐疑的なまなざしを送ってくるようになった。
「・・・。」
ひそひそ話の内容まではわからないが、それは明らかにウィルバートを冒涜しているものだろう。
手と袖で遮っているが、ギンセツの口とおちんちん氏の口は相当近い位置にある。
「コショコショコショ」と言うわざとらしい声が聞こえなければ先っぽをフェラをしているようにも見えたかもしれない。
息が当たりそうな距離でクスクスと楽しそうに笑っては、2人してこちらの反応を伺い、またその反応を肴に盛り上がる。
「ねぇねぇ〜、キミはどう思う?」
「本当のこと言うてると思う?」
すっかりおちんちん氏となかよしになったギンセツが謡うような声で問う。
するとおちんちん氏はうーんとしばらく唸って考えるフリ。
やがて根元を3度、むにゅむにゅむにゅと揉まれながら”ちーがーう”と裏声で答えた。
「やて」
「・・・。」
おちんちん氏は上機嫌にびくんと震え、それがウィルバートの機嫌をトドメと言わんばかりに逆撫でた。
特に、最後の震えはギンセツの茶番と関係なかったからだ。
ウィルバートは馬鹿にされてるようで親密感たっぷりの甘い恋人のようなじゃれ方をしてくるギンセツにペースを持っていかれぬよう、冷静に、したたかに、言葉を脳内で選んでいく。
(ギンセツは飽きやすい・・・。)
(飽きさせてはならない・・・。)
(それは媚を売る事ではない・・・。)
数多の戦場を駆けた聖騎士の観察眼は、ギンセツという妖怪の性質を正しく見抜いていた。
決して靡かず、屈せず、対等に接すること。
それがギンセツとの適切な間合いの取り方であり、妖狐以外の膣を知らない、人間に対しては童貞で女性経験皆無のクソ雑魚包茎病み堕ちおちんちんであっても、その審美観は実際に正しかった。
経験豊富で何百本ものおちんちんをやっつけてきたギンセツにとって、屈服しないウィルバートは新鮮に映っていた。
もしウィルバートが簡単に媚びるような男だったら、ギンセツの興味が低下する反応を繰り返していたら、それは無神世界の危機に直結していただろう。賞品として妖華に納められ、何とか保護されるに至った無神世界が打ち捨てられてしまう危険性は依然十分にある。
その未来がちらつく限り、ウィルバートは簡単に愛だ恋だ惚れただのに口を割かない。
ウィルバートはおちんちんが無い実害と感想をただ無粋に並べ立てていく。
ギンセツはもう一度、短小こしょこしょ噂話で対抗しようとしたが、排泄の不便さを説かれ始めた辺りで、ついにそれを遮った。
「ちーがーう!」
と詰めるとおちんちん氏の口元をきゅっと皮で塞ぎ、元あったただの包茎おちんちんに戻してしまう。
「ウィル君!」
ギンセツは布団から起き上がり、向き合いながら正座になる。
ウィルバートもそれに応えて居住まいを正す。
ギンセツは着崩れた着物を慣れた手つきでてきぱきと直していく。
その際おちんちんはギンセツの手から離れ、畳みの上をごろりと転がっていた。
ウィルバートがちらとそれを見やると、察したギンセツがものすごい速度ですぐにそれをサッと拾い上げる。
「お話があります。」
そういってギンセツは握り締めたおちんちんを、せっかく綺麗に正した胸元に、結局雑にしまい込んだ。
ここに入れてしまいさえすればウィルバートが強引に取り上げたりしないことをギンセツはよく承知していた。
ギンセツは真剣な面持ちでキッっと鋭くウィルバートを睨み付け、
「もしそないな事ずっと言い続けるなら、このままおちんちんはんも没収どす。」
と指先で先っぽをつつんとつつくとむにっと谷間の奥へ押し込んで脅しかける。
ゾっとしない脅迫にウィルバートは思わず震える。
身動きの取れない哀れな人質もまたウィルバートに呼応し、そのを儚げに震わせた。
その反応にギンセツはいくらかの満足を示すと、袖から腕を引き込み、肩や肘を使って器用に胸をたぷたぷとやる。
直接胸に触れること無くもぞもぞするギンセツと、残酷にもそれで少しずつ整っていくチンポジの様子を、ウィルバートは黙って眺めている事しか出来ない。
そうして、ギンセツにとって納得の行く位置におちんちんが納まったのを折に、幾度と無くギンセツとウィルバートの間で行われてきたひとつの儀式が今夜もまた始まった。
恋愛お説教である。
それはギンセツが妖怪の頭領として配下の粗相を窘める為に培われてきた感覚を、そのままウィルバートにもしてしまうと言う悪癖から来るものだった。
ギンセツは妖怪を説教する時、人間で言う子供を叱る時の要領が有効なことを心得ていた。
悪さをした妖怪を呼び出し、一対一で向き合いながら、どうして呼び出されたか、なんで自分が怒ってるか、何が悪くてどうしたら防げた事だったのか。
ひとつひとつ問いながら悪さの自覚をさせ、反省を促すやり方である。
”なんとなくでもあてがおこりそうな事したらあかんよ?”
そこにギンセツのその一言が加わるだけで、妖華の百鬼はのびのびとしながらも、大きく乱れることなく均衡が取れている。それが成り立つのは、百鬼たちがギンセツを良く知り、信頼を置いているからであり、ひとつの大将としての証とも言えるだろう。
「ウィル君・・・!」
それを何故か恋仲にしたいウィルバート相手にもやってしまう。
当然、人と狐、男の女の仲にまでやることではない。
ギンセツは実のところまだ言いたい事がまとまっていなかった。
めいっぱいもぞもぞして作った時間稼ぎも、酷な事にきちんと収まったチンポジがピクリと震えて終わりを告げてしまう。
そこに齟齬があることはわかっているのに、どうにも流れを切る気にもなれず、そのまま手なりでお説教を開始する。
「・・・どうしてここに呼び出されたと思う?」
「・・・。」
ウィルバートは答えなかった。
指示がない限りウィルバートはこの部屋で眠る。
この部屋に来ているのはギンセツのほうであり、ギンセツもすぐに思い至って言い直す。
「・・・あてが何で怒ってると思う?」
「・・・少し汚い話をした。反省している。」
「せやね、女の子の前でする話やないよ?」
「気をつける。」
「・・・。」
話が終わってしまった。
「…。んんっ!」
咳払いをひとつ。
それで強引にギンセツは場のペースを切り替え、神妙な面持ちから儚げで華奢な上目遣いへと驚くべき速度で面を被りなおした。
「今日・・・あてね、一緒にお出かけ出来て楽しかった・・・。」
ギンセツは正座を崩し、複雑な構造の袴を熟知した脚の投げ出し方で自然と太ももを外気に触れさせると、ウィルバートの視線を誘導する。大した時間も組んでないのに都合よくしびれてしまった膝を丁寧に撫ぜ、柔らかく解きほぐしていく・・・。
「せやけどウィルくん、顔に出さんから、わからんこと多くて・・・。」
「あて、君に同じ事感じて欲しいねん。」
四畳半の庵が、徐々に湿度を帯びていく。逃げ場は無い。
「…ねぇ、あてのことはどう思ってるん?」
妖術を溜めた瞳でギンセツはウィルバートを見つめた。
ぽた…と滴り落ちた妖気を豊満な果実が受け止めると、指先でそこを塗り広げるように、ゆっくりと、しおらしく胸元を開いていく。
恋人への想いを膨らませた穂先が、恥らう乙女のように主の脱衣を拒んで引っかかる。
それを支点にボリュームのある肩が先に抜け出た時、流れる髪もまた衣に合わせて振り付けを変えた。
ぱさり…。
灯火の品の良いの光がギンセツの肌を暖かく照らして揺らいで爆ぜた。
蝋すら歪ませる女狐の艶。そこには涙を浮かべて助けを求める人質が、その身を目いっぱい伸ばしてかろうじて外の空気を吸っていた。
「貴女は俺の世界の恩人だ。俺には貴女を支える義務がある。」
「・・・。」
ウィルバートは露になった大きな胸にも、そこに挟まれた自分のおちんちんに一瞥もくれず即答する。
「俺はその為に来た。」
「・・・。」
ギンセツはこの義務という言葉が馴染めなかった。
〜
永い時を生きた妖狐は、そこにどういう経緯があったのか、思考や振る舞いは一周廻って少女なものに戻っている。
ギンセツはただウィルバートといちゃいちゃしたい。
それだけである。
自分に夢中にさせたいし自分もそうしたい・・・。
だがウィルバートはその意図を汲まない。
確かに初めは遊びだった。遊びで弄んで犯した。ついでに攫った。
そしてまぐわっていく内に愛おしくなりつがいにした。
肉欲のままに数多のおちんちんを虜にしてきたギンセツにとってそれは初めての感情だった。
しかし、ウィルバートにとってギンセツの相手というのはどうやら仕事のようなものらしい。
(あてと居るの義務なん?楽しくないん?)
ギンセツは心に灯ったその問いを口にしそうにしてやめた。
それを言ってしまったら何かが終わってしまいそうな気がした。
「あては・・・あてはねぇ・・・。」
だから時々、罪滅ぼしに彼の世界へ妖怪を連れて草むしりをしに往く。
草むしりは妖怪たちに好評で娯楽として定着した。
ただし、娯楽として成立するまで草を適度に伸ばす必要があった。
妖怪は妖怪。面白くない事には参加しない。
当然その間、無神世界はガラ空きだ。
ギンセツ自身も無神世界の自分の両足で立てない虫けら達が嫌いであまり長居したくなかった。
本当はそれでウィルバートを舐めたり弄ったり犯したりした分を清算したいのだが、草が根絶出来ていない事、する気が無い事に加え、当のギンセツがあまり草と虫に積極的になれていないせいで、それを愛と言い切るにはしこりが残る。
そもそもそういった義務だの勤めだの貸し借りを抜きにいちゃいちゃしたいだけなのだ。
「ん〜〜〜んっ!」
手で顔を隠したギンセツは、よくわからない音を出して尻尾をぱたぱたと振ると、また布団のほら穴に飛び込んで出てこなくなってしまった・・・。
二人は常にこうだった。
肉体で迫ればウィルバートが鳴かされるが、理詰めで向き合うとギンセツが折れる。
「・・・。」
ウィルバートはスゥゥ・・・と静かに息をついて額の汗をぬぐう。
やりきった表情。
それは戦いを切り抜けた熟達の戦士の顔だった。
実際はただセックスの誘いを断っただけの男である。
こうしてまたひとつ、二人の儀式が厳粛に事を終えた。
タマタマの付け根が薄ぼんやりとしたもやに包まれていてあるべきはずのモノがない。
さてはギンセツの仕業だなと問い詰めてみるも、「こんなとこで脱ぎはるなんてびっくりしてもたわ〜」と、大妖狐はシラを切る。
「おちんちんはんなんて知らへんよ」と、頭を振るギンセツをウィルバートはそうか、と素直に信じた。
腰の高さには丁度立っていた座敷わらしの小さな頭あったがおちんちんの所在が不明のウィルバートにとってそこに教育的な問題は何も無かった。
おちんちんはんの先っぽ探しまひょ、と二人は出かける。
落ちているおちんちんはないか、妙な出来事はなかったか村々を巡って聞き込みに回るもそれらしき話はない。
街道を回ってタピオカをせがまれ、市場を巡り団子をせがまれ、路地裏を物色してアクセサリーをせがまれもう駄目かと思った夕暮れの帰り道。
ついに宙に浮いているおちんちんを発見する。
「あったあった〜」、と喜ぶギンセツ。無邪気に駆け寄ってそれを手にすると、
「怖かったなぁ〜もう大丈夫やで?」とおちんちんを優しく労わり頬ずりをした。
その光景にウィルバートはぎょっとする。
みつかったおちんちんに躊躇なくギンセツは触れるが、これはどういう状況だ?
当の自分にはおちんちんを触られる感覚など無い。
これは何だ?安全なモノか?本当に自分のおちんちんなのか?とギンセツに疑問を指摘するも、
「何言うてはりますの、どっからどうみてもウィルバートはんのおちんちんはんどす。」と、ギンセツは自分のおちんちん審美眼に自信。
ウィルバートも空中を漂う不気味な自分のおちんちんを注意深く観察する・・・。だがどうしてもそれが自分のおちんちんである確信が持てなかった。
誰しも中空にぶらさがったおちんちんを自分のモノと見抜くのは並ではなかろう。
特にコロシアム開催まで童貞であったウィルバートにとって、それはなおさら困難であった。
ギンセツとのたびかさなる逢瀬はウィルバートの珠のような白いおちんちんをほんのりきつね色に染め上げていたのだ。
絡みつくような蜜月の日々にリーダー付与は耐えられず、山札はめくれ、もはやファンファーレの認識対象外であった。
見慣れぬ自分の守護なしおちんちんにただただ不信を抱くウィルバート。
見かねたギンセツはウィルバートのおちんちんの特徴を挙げていく。
「このふわふわもこもこの白い毛は羊はんみたいやなぁ。あてのは濃くて剛毛やさかい、羨ましい思てますのん。このかわいい毛ぇが、あてのごわごわに絡み付いて抜け落ちてるのを見ると、なんだか申し訳なくなるんや。それとこの最近ようやくめくれてくれたシャイなお皮。あてを受け入れてくれた思うと、嬉しゅうなって。つい、ついばみたくなってまうんや。少し余り気味なこのしわも、唇あてとるとよぉ動くのがわかって味があるんよ。あとこの先っぽ。このはんなりさん。このコがええこでなぁ。あての愛し方いっぱい知っとるんや。いつも丁度いいところに納まってくれはるんよ。好き好きぎゅう〜抱き締めても負けへんで!って、ぱんぱんに膨らんでくれる頑張り屋さんやなぁ。」
あてが育てたおちんちんはん・・・と、ギンセツは得意気にそう呟くとおちんちんをたいそう大切に胸元に仕舞い込んでしまった。
ウィルバートは自分のおちんちんをそこまでみていたのか、と奥ゆかしくもドン引きする一方、ギンセツに抱かれた謎の自分のおちんちんがやはり気になってしまう。
ざわつく風と胸の内のままの帰路。仕舞われたおちんちんが気になってつい何度もギンセツの胸元を、チラチラとみやる。
その度ギンセツは、「あとでな。」と、そっと人差し指をたててウィルバートを制した。
もちろんそういうつもりで見ていたのではなかったのだがウィルバートがそれに言及することはなかった。
〜
慌しい夕餉の支度と酒呑童子との将棋の約束は一時であったがウィルバートからこの不安を拭った。
酒呑童子はようやく現れた飲み込みの早いこの好敵手の登場にほくそ笑み、火車は自分が教えた戦術が有効に活用されたことを大いに喜び、座敷わらしに次の対戦日程を決められ、雪女には座敷わらしとやる時は手を抜いてあげるよう耳打ちされた。
そうして夜も更けウィルバートが居室に戻ると、もはや定位置と化した自分の布団にギンセツがすでに潜り込んでいた。
隠し切れない耳が枕元からぴんと跳ねている。
大屋敷の主にはふさわしい部屋がいくらでもあるだろうに最近はすっかり入り浸っている。
気にかけてくれた子狐が布団を増やしたり、調度品を置いてくれたりしていたが取り払われている辺りギンセツが断ったのだろう。
風が吹いて開けていた障子を閉めた。それで彼女の匂いが濃くなったような気がした。
隣に腰を降ろして声をかける。
しばらくしてほら穴から小さな顔が出てきた。
すこしむくれている。
どうもウィルバートが妖怪たちに人気になりつつある現状に不満を持っているようだ。
「あてが連れて来たのに・・・。」、と零すと寝返り。つやつやの髪でまた顔が隠れてしまった。
ウィルバートは今日は自分の都合に付き合ってくれた事にまず礼を言った。
次に妖術で今回の怪異を解決できないか打診する。
ギンセツはまたも寝返り。くるりと向いたそこには待ってましたと言わんばかりのにんまり顔。
そして胸元からずっと持っていたそれを取り出した。
おちんちんである。
ウィルバートはそれを受け取ろうとス・・・と手を差し出す。
しかしギンセツはパッと手を引っ込めてまた胸元に隠してしまう。
「なんの為に戻したいん?」
顔を枕と布団で半分埋めながらギンセツは問うた。
「・・・。」
ウィルバートは答えない。
「ねぇ・・・?もどして、何がしたいん?」
ギンセツはゆったり上体を起こしてもう一度問うて来る。
首を傾いで肩にかかった髪が胸元に流れた。
よほど着物の奥へしっかりとしまい込んでいたのか、おちんちんを何度か出し入れしたギンセツの胸元は着崩れて深い谷間が露になっている。
ギンセツは何かを企んでいるような表情でウィルバートの顔を下から覗き込んだ。
ウィルバートは視線を切るように掛け軸に目をやると、少し考えてから、身体の一部を失っていることによる原始的な不安を説明する。
「ふぅん。」
彼女はしばらく黙ってそれを聞いていた。
しかし、すぐに飽きて御手元のおちんちんを弄り始めてしまう。
退屈そうに皮の先をパクパクと口のように動かしては、その中の亀頭のひくつきをじっと見つめる・・・。
ギンセツと目があったおちんちんがびっくりして思わずカウパー氏腺液を差し出した。
表面張力で強張る新人さん我慢汁を、ギンセツは宥めるようにゆったりと、指先で丁寧に救い上げる。
葉の上の朝露のように、ぷっくりと綺麗な形を保ったままギンセツの指先の上にお引っ越しを済ませたカウパー氏。
大家への挨拶を済ませた安心感からか、次第に輪郭が溶けて曖昧になっていく。
ウィルバートの長い話と平行して、ゆっくりとすこしずつ蕩け、滑らかな肌に吸われ、馴染み、そして消えていった。
「また会おな・・・。」
「・・・。」
寂しそうに、そう呟くまったく話を聞いていないギンセツをウィルバートは無視した。
おちんちん氏がそれならば、と大きな2滴目をしたたらせて再会を果たさんとしたまさにその刹那、それが滲み出て空気に触れるより先にギンセツの指がおちんちんの先っぽに栓をした。
「んー。さっきからどうも嘘くさいなぁ。」
ウィルバートは自分の口が塞がれた訳ではないのだが、なぜかその動きで口を噤んでしまった。
鋭い非難の双眸が、おちんちん越しにウィルバートを捉える。
「本当のこと、大事なこと。言ってないように見えるなぁ。」
「・・・。」
ギンセツはむにっと蓋した指を押し込み警告する。
図星を突かれたおちんちん氏が涙を呑んで固唾を見守る。
「なぁ?」
「・・・。」
「なぁおちんちんはん、どう思う?」
ウィルバートが答えられないでいると、今度は唐突におちんちん氏に質問が振られた。
ギンセツは半身、向きを変え、手に持ったおちんちん氏を口元に誘うと、手で隠すようにして彼とひそひそ話をし始めた。
疑いを含んだ形の良い流し目が、ずぶずぶとウィルバートを否定すると、おちんちん氏もそれに同調。
たまたまを握られたおちんちん氏は不思議とギンセツと同じ仕草をし、懐疑的なまなざしを送ってくるようになった。
「・・・。」
ひそひそ話の内容まではわからないが、それは明らかにウィルバートを冒涜しているものだろう。
手と袖で遮っているが、ギンセツの口とおちんちん氏の口は相当近い位置にある。
「コショコショコショ」と言うわざとらしい声が聞こえなければ先っぽをフェラをしているようにも見えたかもしれない。
息が当たりそうな距離でクスクスと楽しそうに笑っては、2人してこちらの反応を伺い、またその反応を肴に盛り上がる。
「ねぇねぇ〜、キミはどう思う?」
「本当のこと言うてると思う?」
すっかりおちんちん氏となかよしになったギンセツが謡うような声で問う。
するとおちんちん氏はうーんとしばらく唸って考えるフリ。
やがて根元を3度、むにゅむにゅむにゅと揉まれながら”ちーがーう”と裏声で答えた。
「やて」
「・・・。」
おちんちん氏は上機嫌にびくんと震え、それがウィルバートの機嫌をトドメと言わんばかりに逆撫でた。
特に、最後の震えはギンセツの茶番と関係なかったからだ。
ウィルバートは馬鹿にされてるようで親密感たっぷりの甘い恋人のようなじゃれ方をしてくるギンセツにペースを持っていかれぬよう、冷静に、したたかに、言葉を脳内で選んでいく。
(ギンセツは飽きやすい・・・。)
(飽きさせてはならない・・・。)
(それは媚を売る事ではない・・・。)
数多の戦場を駆けた聖騎士の観察眼は、ギンセツという妖怪の性質を正しく見抜いていた。
決して靡かず、屈せず、対等に接すること。
それがギンセツとの適切な間合いの取り方であり、妖狐以外の膣を知らない、人間に対しては童貞で女性経験皆無のクソ雑魚包茎病み堕ちおちんちんであっても、その審美観は実際に正しかった。
経験豊富で何百本ものおちんちんをやっつけてきたギンセツにとって、屈服しないウィルバートは新鮮に映っていた。
もしウィルバートが簡単に媚びるような男だったら、ギンセツの興味が低下する反応を繰り返していたら、それは無神世界の危機に直結していただろう。賞品として妖華に納められ、何とか保護されるに至った無神世界が打ち捨てられてしまう危険性は依然十分にある。
その未来がちらつく限り、ウィルバートは簡単に愛だ恋だ惚れただのに口を割かない。
ウィルバートはおちんちんが無い実害と感想をただ無粋に並べ立てていく。
ギンセツはもう一度、短小こしょこしょ噂話で対抗しようとしたが、排泄の不便さを説かれ始めた辺りで、ついにそれを遮った。
「ちーがーう!」
と詰めるとおちんちん氏の口元をきゅっと皮で塞ぎ、元あったただの包茎おちんちんに戻してしまう。
「ウィル君!」
ギンセツは布団から起き上がり、向き合いながら正座になる。
ウィルバートもそれに応えて居住まいを正す。
ギンセツは着崩れた着物を慣れた手つきでてきぱきと直していく。
その際おちんちんはギンセツの手から離れ、畳みの上をごろりと転がっていた。
ウィルバートがちらとそれを見やると、察したギンセツがものすごい速度ですぐにそれをサッと拾い上げる。
「お話があります。」
そういってギンセツは握り締めたおちんちんを、せっかく綺麗に正した胸元に、結局雑にしまい込んだ。
ここに入れてしまいさえすればウィルバートが強引に取り上げたりしないことをギンセツはよく承知していた。
ギンセツは真剣な面持ちでキッっと鋭くウィルバートを睨み付け、
「もしそないな事ずっと言い続けるなら、このままおちんちんはんも没収どす。」
と指先で先っぽをつつんとつつくとむにっと谷間の奥へ押し込んで脅しかける。
ゾっとしない脅迫にウィルバートは思わず震える。
身動きの取れない哀れな人質もまたウィルバートに呼応し、そのを儚げに震わせた。
その反応にギンセツはいくらかの満足を示すと、袖から腕を引き込み、肩や肘を使って器用に胸をたぷたぷとやる。
直接胸に触れること無くもぞもぞするギンセツと、残酷にもそれで少しずつ整っていくチンポジの様子を、ウィルバートは黙って眺めている事しか出来ない。
そうして、ギンセツにとって納得の行く位置におちんちんが納まったのを折に、幾度と無くギンセツとウィルバートの間で行われてきたひとつの儀式が今夜もまた始まった。
恋愛お説教である。
それはギンセツが妖怪の頭領として配下の粗相を窘める為に培われてきた感覚を、そのままウィルバートにもしてしまうと言う悪癖から来るものだった。
ギンセツは妖怪を説教する時、人間で言う子供を叱る時の要領が有効なことを心得ていた。
悪さをした妖怪を呼び出し、一対一で向き合いながら、どうして呼び出されたか、なんで自分が怒ってるか、何が悪くてどうしたら防げた事だったのか。
ひとつひとつ問いながら悪さの自覚をさせ、反省を促すやり方である。
”なんとなくでもあてがおこりそうな事したらあかんよ?”
そこにギンセツのその一言が加わるだけで、妖華の百鬼はのびのびとしながらも、大きく乱れることなく均衡が取れている。それが成り立つのは、百鬼たちがギンセツを良く知り、信頼を置いているからであり、ひとつの大将としての証とも言えるだろう。
「ウィル君・・・!」
それを何故か恋仲にしたいウィルバート相手にもやってしまう。
当然、人と狐、男の女の仲にまでやることではない。
ギンセツは実のところまだ言いたい事がまとまっていなかった。
めいっぱいもぞもぞして作った時間稼ぎも、酷な事にきちんと収まったチンポジがピクリと震えて終わりを告げてしまう。
そこに齟齬があることはわかっているのに、どうにも流れを切る気にもなれず、そのまま手なりでお説教を開始する。
「・・・どうしてここに呼び出されたと思う?」
「・・・。」
ウィルバートは答えなかった。
指示がない限りウィルバートはこの部屋で眠る。
この部屋に来ているのはギンセツのほうであり、ギンセツもすぐに思い至って言い直す。
「・・・あてが何で怒ってると思う?」
「・・・少し汚い話をした。反省している。」
「せやね、女の子の前でする話やないよ?」
「気をつける。」
「・・・。」
話が終わってしまった。
「…。んんっ!」
咳払いをひとつ。
それで強引にギンセツは場のペースを切り替え、神妙な面持ちから儚げで華奢な上目遣いへと驚くべき速度で面を被りなおした。
「今日・・・あてね、一緒にお出かけ出来て楽しかった・・・。」
ギンセツは正座を崩し、複雑な構造の袴を熟知した脚の投げ出し方で自然と太ももを外気に触れさせると、ウィルバートの視線を誘導する。大した時間も組んでないのに都合よくしびれてしまった膝を丁寧に撫ぜ、柔らかく解きほぐしていく・・・。
「せやけどウィルくん、顔に出さんから、わからんこと多くて・・・。」
「あて、君に同じ事感じて欲しいねん。」
四畳半の庵が、徐々に湿度を帯びていく。逃げ場は無い。
「…ねぇ、あてのことはどう思ってるん?」
妖術を溜めた瞳でギンセツはウィルバートを見つめた。
ぽた…と滴り落ちた妖気を豊満な果実が受け止めると、指先でそこを塗り広げるように、ゆっくりと、しおらしく胸元を開いていく。
恋人への想いを膨らませた穂先が、恥らう乙女のように主の脱衣を拒んで引っかかる。
それを支点にボリュームのある肩が先に抜け出た時、流れる髪もまた衣に合わせて振り付けを変えた。
ぱさり…。
灯火の品の良いの光がギンセツの肌を暖かく照らして揺らいで爆ぜた。
蝋すら歪ませる女狐の艶。そこには涙を浮かべて助けを求める人質が、その身を目いっぱい伸ばしてかろうじて外の空気を吸っていた。
「貴女は俺の世界の恩人だ。俺には貴女を支える義務がある。」
「・・・。」
ウィルバートは露になった大きな胸にも、そこに挟まれた自分のおちんちんに一瞥もくれず即答する。
「俺はその為に来た。」
「・・・。」
ギンセツはこの義務という言葉が馴染めなかった。
〜
永い時を生きた妖狐は、そこにどういう経緯があったのか、思考や振る舞いは一周廻って少女なものに戻っている。
ギンセツはただウィルバートといちゃいちゃしたい。
それだけである。
自分に夢中にさせたいし自分もそうしたい・・・。
だがウィルバートはその意図を汲まない。
確かに初めは遊びだった。遊びで弄んで犯した。ついでに攫った。
そしてまぐわっていく内に愛おしくなりつがいにした。
肉欲のままに数多のおちんちんを虜にしてきたギンセツにとってそれは初めての感情だった。
しかし、ウィルバートにとってギンセツの相手というのはどうやら仕事のようなものらしい。
(あてと居るの義務なん?楽しくないん?)
ギンセツは心に灯ったその問いを口にしそうにしてやめた。
それを言ってしまったら何かが終わってしまいそうな気がした。
「あては・・・あてはねぇ・・・。」
だから時々、罪滅ぼしに彼の世界へ妖怪を連れて草むしりをしに往く。
草むしりは妖怪たちに好評で娯楽として定着した。
ただし、娯楽として成立するまで草を適度に伸ばす必要があった。
妖怪は妖怪。面白くない事には参加しない。
当然その間、無神世界はガラ空きだ。
ギンセツ自身も無神世界の自分の両足で立てない虫けら達が嫌いであまり長居したくなかった。
本当はそれでウィルバートを舐めたり弄ったり犯したりした分を清算したいのだが、草が根絶出来ていない事、する気が無い事に加え、当のギンセツがあまり草と虫に積極的になれていないせいで、それを愛と言い切るにはしこりが残る。
そもそもそういった義務だの勤めだの貸し借りを抜きにいちゃいちゃしたいだけなのだ。
「ん〜〜〜んっ!」
手で顔を隠したギンセツは、よくわからない音を出して尻尾をぱたぱたと振ると、また布団のほら穴に飛び込んで出てこなくなってしまった・・・。
二人は常にこうだった。
肉体で迫ればウィルバートが鳴かされるが、理詰めで向き合うとギンセツが折れる。
「・・・。」
ウィルバートはスゥゥ・・・と静かに息をついて額の汗をぬぐう。
やりきった表情。
それは戦いを切り抜けた熟達の戦士の顔だった。
実際はただセックスの誘いを断っただけの男である。
こうしてまたひとつ、二人の儀式が厳粛に事を終えた。
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お、新しいアディか〜昔こんな感じの名前ビショにあったなぁ→ビショではあった
ワシの股間もビショビショになった
しまった怪文書だ!
最近カード記事の追記多いから普通にグラブルのウィルのカード記事だと思いましたねぇ!!
当時からもややこしかったけど最早罠だろこれ
すき
新カードかと思った(頭MUR)
蓋した栓から零れ落ちたメイド達が、お客様を逃がさないとばかりにぱたぱたと、追いかけ捕まえていく
ここら辺の表現天才だと思う