R18要素を含みます。
メインストーリー「才気学園編」ベルディリア編のネタバレを含みます。
諸々注意してね
メインストーリー「才気学園編」ベルディリア編のネタバレを含みます。
諸々注意してね
「ねえライル、付き合ってくれないかな」
広大な『学園』の中にある1つの教室。
そこにいる1人の少女──アマリリスは、たった1人のクラスメイトに向かって微笑む。
「……は?付き合う?」
名前を呼ばれた男子生徒──ライルは普段の澄ました顔を崩すが、すぐに調子を取り戻し、淡々と答える。
「お断りします。僕はまだあなたのことを全く知らないし、そんなものにかまけている時間もない。興味を抱くのは勝手ですが、それなら他をあたって──」
「…駄目かな?学校を見て回るのについてきてほしいな、って思ったんだけど…」
「…えっ、はっ??」
想定と違う返答に、ライルは再び冷静さを失った。
その様子を見ていた担任教師は、ニヤニヤと笑みを浮かべてライルに顔を向ける。
「いいんじゃないか?アマリリスは『学園』を知れて、案内を通して君たち生徒の仲は深まる。一石二鳥だ。なあ、ライル?」
「っ…そんなことはアンタがやればいいだろ、教師らしく!」
「それじゃ意味ないだろ?それに、厄介なことに私にはやらなきゃいけないことが山積みなんだ」
恥ずかしさに声を荒らげるライルをあしらい、教師は教室を出ていく。
「そういうことだ。楽しんでこい、お2人さん」
「あっ、おい!」
戸が閉まる音とともに、2人しかいない教室には暫しの静寂が訪れる。
「えーっと…それでライルは、来てくれるの?」
アマリリスは、少し困ったようにライルに顔を向ける。
ライルは、その場で少し考えた。
あの教師に押し付けられる形になったのは癪だが、曲がりなりにも先輩であるアマリリスの頼みを無下にはできない。
それに、これからこの教室で学ぶ上で、唯一のクラスメイトであるアマリリスと関わり、知っていくことは避けられない。
「そうですね、行きましょう」
──どうせ校内を少し歩き回るだけだ。
ライルはアマリリスを連れ、教室を後にした。
***
「ほらライル、早く行こうよ」
「ちょっ、ちょっと…待ってください…」
長い廊下の途中、軽快に足踏みをするアマリリスの横で、ライルは疲れを見せていた。
彼女が『学園』に関してほとんど何も知らないことは初日のやり取りから分かっていたが、彼女の知識の偏り、そして何より奔放さはライルの想像を超えていた。
「ねえライル、あそこに蝶が飛んでるよ!」
「せ、先輩?どこに行くんですか!」
「ねえライル、あの部屋は何?行ってみようよ」
「あそこは授業中です、入らないでください!」
「ねえライル、水が出てるよ!楽しそう!」
「あれは噴水と言って──ちょっと、入ろうとするな!」
「ねえライル、ここは何?入れるの?」
「入れるか!通気口だ!!」
このような感じで、気になるものや場所があればすぐさま駆け寄り、ライルに説明を求めることの繰り返しで、『学園』の施設や設備、制度を語る以前の問題であった。
当然こんな調子では1日で校内を巡れるはずがなく、授業が終わるとアマリリスがすぐさまライルを連れ出す日々が続くことになった。
初めてのことの連続に興奮するアマリリスに対し、彼女の好奇心のままに連れ回されるライルは肉体的にも精神的にも疲労していたが、自らのプライド、そして『御伽の姫』として『学園』の七不思議に数えられるほど謎に満ちたアマリリスに対する興味が、ライルに『学園』の案内を続けさせていた。
「それで、先輩…次は、どこへ…?」
「じゃあ…あそこかな」
アマリリスが指さした先にあったのは、図書室だった。
──助かった。
疲れきったライルは、素直にそう思った。
『御伽の姫』──つまりアマリリスは、ここではない「もう一つの図書室」に閉じこもっている、という噂話はライルも耳にしていた。
「もう一つの図書室」なるもののカラクリは分からないが、そんな環境に身を置いていれば本には慣れているはずだし、放っておけば一般教養くらいは身につけてくるだろう。
そうして本に夢中になってくれれば、これ以上歩かなくて済む。
そんなことを考えながら、ライルはアマリリスと共に図書室に入った。
「僕は適当に時間を潰すので、先輩も好きに本を読んでてください」
「うん、分かった」
ライルはアマリリスと別れて本棚に向かい、適当な本を何冊か見繕って手に取った。
自分の目的──『勝利』のための知識に貪欲だったライルにとっても、この図書室は縁の深い場所だった。
魔法や戦闘に関しては『学園』の蔵書を読破する程に図書室に通いつめていた彼にしてみれば、本選びも読書も手馴れたものだ。
そしてライルが机に向かい、読書に没頭していた時だった。
「ねえライル、これって…」
ここ数日で飽きるほどに聞いた言葉が、彼の集中を遮った。
不機嫌さを浮かべた顔でアマリリスに振り返ったライルは、彼女が自分に向かって本を開き、ある場所を指さしているのに気付いた。
そこに描かれていたのは──男女の裸体と、その身体構造について説明する図であった。
アマリリスが持ってきたそれは、紛れもなく性教育の本だった。
「えっ…これは…」
ライルは目を見開き、動揺していた。
図書室で一度も見たことがないような本を見せられたのもそうだが、メルヘンチックで、かつ好奇心に溢れた幼児のような面を見せていた彼女が突然このようなものを出してきたことはライルを驚かせた。
「っ…!行きますよ!」
「あっ、ちょっと、ライル!?」
動揺を抑えられないまま、ライルはこの様子を誰かに見られていないか確認した後にアマリリスの手を引き、早足で図書室を出た。
***
西棟の隅にある空き教室。
入口から遠く離れているために人通りが少ない上、普通の授業を嫌う『生徒派』たちにとっては無縁の場所であった。
それはライルにとっても同様で、ここならば誰も立ち寄らないと考え、この場所にアマリリスを連れ込んだのだった。
「──それで、僕に何を訊こうと?」
ライルは必死に冷静な表情を繕い、普段通りに話す。
これ以上情けない姿を見せるのは、彼のプライドが許さなかった。
「えっと…ここなんだけど…」
アマリリスはそんなライルの心中はお構いなしに、乱雑に置かれた机の上に本を広げる。
「ここに書いてる生殖っていうのは、ただの子供を作る手段…なんだよね?」
「そうです。生殖行為を通して子を産むことで、動物は種の個体数を保ちます」
──ただ彼女の疑問に答えるだけ。いつもやっていたことだ。
ライルはひたすらに自分に言い聞かせ、淡々と話す。
「そう…だよね?でもこの本だとね──」
それを聞いたアマリリスは、抱えていた複数の本のうちの別の本を開いた。
「すごく気持ち良さそうに書いてるの。男の人も女の人も」
アマリリスが指さしたのは、男女の性行為を濃密に描写した一文。
その本はいわゆる官能小説だった。
そんなものまで…
ライルはまたも動揺させられるが、それを表に出さないよう自分を律する。
「それは…この2人が互いを愛し、信頼しているから、じゃないんですか?」
「…愛し合うと、気持ち良くなるの?」
「…はい?」
アマリリスは態度を変える様子もなく、純粋な目でライルを見つめる。
「──私、ライルとやってみたい。一緒にしてくれる?」
「…一緒に?」
それはつまり──
アマリリスの発言の意味が分かった途端、ライルは辛うじて保っていた冷静さを完全に失った。
「何を言ってるんですか!?先輩、自分で何を言っているのか分かってるんですか!」
「ええっと、ライルは男の人で、陰茎…があるんだよね?できると思うんだけど…」
「そういうことではなく、そのような行為は親密な関係のもとで行うものです!僕と先輩は出会って日も浅い他人で──」
「他人じゃないよ。私とライルは『クラスメイト』だもん」
アマリリスは、真っ直ぐに目を向けてライルに迫る。
「ライルは私に付き合ってくれて、私が知らないことを沢山教えてくれた。私はライルのことを大事だと思ってるけど、それじゃ駄目なのかな」
「それは──」
違う、と言いきれなかった。ライルにもそんなことは分からなかった。
肉親である父に見捨てられたあの日から、ライルの根底にあったのは『認められること』それだけだった。
母が遺した力を磨くことも、『無謬の偶像』の名を得ることも、すべては己を認めてもらうための過程であった。
愛、信頼、親密。
口ではそんなことを言ったが、それが何なのか、ライルは知らなかった。むしろ、その答えを求めて生きてきたのだ。
「っ、分かっているのか!互いに裸体を、自分の恥部を晒すんだ!そんなこと、僕に対してできるのか?痛みだってあるし、第一子供でもできたらどうする!」
ライルはアマリリスから目を逸らし、質問に答える代わりにアマリリスの興味を失わせるよう言葉を紡いだ。
「ライルとならできる気がするんだけど…ライルは私とするの嫌?私のこと、嫌い?」
「いや、そういうことでは…」
なおも態度を変えず迫るアマリリスに対し、ライルはもはや言葉を考える余裕すら失っていた。
アマリリスがこんなことをするのは、彼女がまだ性について何も知らないからだ。
こんなことは間違っている。
この場を何とかするには──
ライルが考えを巡らせる最中、アマリリスはしゃがんでライルの股間に目を向けていた。
「男の人は興奮するとここが大きくなる…んだよね?」
アマリリスはそう言って、ライルのズボンを下ろし、性器を露わにした。
「男の人ってこんなものがあるんだ、不思議」
「馬鹿、何してる!それ以上は──っ!」
アマリリスはライルのそれをまじまじと見つめ、そして弄んだ。
先端に向かって指でなぞったり、つついたり、はたまた握ったり。
その手に恥じらいや躊躇いなどはなく、初めて見るものに対する好奇心だけがあった。
「────っ」
性器を刺激されたことで、ライルの興奮は高まっていった。
そのうちに彼のそれは膨張し、みるみるうちに持ち上がった。
「あっ…本当に大きくなった、それに硬い」
勃起した性器に触れながら、アマリリスはライルを見上げて微笑む。
「興奮してるんだね、ライル」
「ち、違う!これはアンタに触られたから反応しただけで──」
「えっと、次は…確か本では…」
「話を聞け!今度は何を…おい、やめ──っ!」
ライルが止めようとするのにも構わず、アマリリスは肉棒を咥え、舌でそれを舐めた。
「だめだ──うっ…!」
自分の脚を抱くアマリリスを引き剥がすことも出来ず、ライルは自身の性器を舐められる快感に溺れた。
アマリリスはそんなライルの反応を純粋な目で見て、舐め方を変えながら、ライルが快楽を覚える方法を試していた。
「んっ……ふっ……んぐっ…」
チュッ…チュパ…チュッ……
アマリリスの小さな口が、ライルのものを包み込む様子。
少し不自由に呼吸をしようとする声。
舌で舐め回す度に鳴る水音。
見えるもの、聞こえるものすべてが、ライルに襲い来る快感を後押ししていた。
最後の砦であった理性すら失った彼は、抵抗する力もなくアマリリスに向かって射精した。
「…!わっ!」
アマリリスは自分の口に流れてくる液体に気付き、慌ててライルから口と手を離す。
それと同時に、ようやく解放されたライルは力なくへたり込んだ。
「…んぐっ!これが、精液…あんまりおいしくないね」
アマリリスは舌を出し、顔に残った液体を手で拭き取りながら言った。
「……もう十分だろ。こんなこと…」
ライルは自分が過ちを犯したことを悔いて、ズボンを履き直して教室を出ようとする。
だが、アマリリスは後ろから彼の手を握り、去っていく彼を止めた。
「──駄目。まだ、ライルしか気持ち良くなってない」
アマリリスは、いつも柔らかく微笑む様子からかけ離れた、不機嫌そうな表情を浮かべていた。
その態度は、まるで気に入った玩具を取られた子供のようだった。
「…これ以上、何をするって言うんだ」
「決まってる。最後までするの、2人で」
そう言いながら、アマリリスは自身の制服に手をかけていた。
ライルが口を挟む暇もなく、アマリリスは身につけていたものを全て脱ぎ、ライルの前に自分の身体を見せた。
アマリリスの身体はライルよりもずっと小柄で、かつ華奢であった。
だが、年頃の女性らしく丸みを帯びており、そしてその病的なまでに白く滑らかな肌は、外の世界とは無縁の生活を送っていた彼女の特異さを如実に表していた。
ライルの記憶の中では、同年代の女性の裸体を目の前で見たことなどなかった。
初めての経験と、アマリリスの身体の魅力に取り憑かれたライルは、言葉を発することもできずにただ立ちつくすだけだった。
「ほら、ライルも脱いで。裸にならないと」
未だ呆然とするライルは、アマリリスに促されるままに服を脱ぎ、再び彼女の前に恥部を晒すことになった。
「えっと…興奮してここが濡れる、らしいんだけど…本当なのかな」
アマリリスは恥じらう様子もなく、自らの秘部を押さえていた。
「ねえライル、触ってみて。本では、身体の色んな所を触ったり、撫でたりしてた」
「…本当に、やるのか?」
欲に包まれ、抵抗する気力もないライルにとっては、尻込みすることが精一杯だった。
「いいから、触ってみて」
だがその態度も、アマリリスに導かれて股間にある割れ目に触れた途端に崩壊した。
目で見て感じた以上にその肌は滑らかで、絹か何かかと思うほどに指が滑っていった。
もっと触りたいという欲に駆られたライルはそのまま右手でアマリリスの秘部を愛撫し、左手で彼女の身体をなぞった。
「あっ…んっ………ふわぁっ!?」
アマリリスは自分の性器を、そして身体のあちこちを撫でられる快感に声を漏らしていたが、ライルの左手が胸の先端に触れた時、一際大きく甲高い声を上げた。
いつも儚げで落ち着いた話し方をする彼女からは考えられない程の善がり声を聞いたライルは俄然興奮し、触る手をさらに速めた。
アマリリスが感じる部分を的確に撫で、かつ傷つけずに優しく触れる。
ライルは欲望のままにアマリリスを弄びながらも、自分の唯一の武器であった人形を自在に使うために訓練した手の技術を遺憾無く発揮していた。
「っ…そこ、きもちぃ…んっ!」
アマリリスが乳首に対して過敏になっていると分かったライルは、そこを重点的に触れ、摘み、さらに感じさせた。
触るごとに膨らんでいき、感触が硬くなっていくのが感じられた。
先程まで性的な感情より興味が先行していたアマリリスも、絶えずやってくる快楽には耐えられず、ライルにもたれかかる。
その顔は紅潮し、息も上がっていた。
くちゅ。
アマリリスの秘部を擦るライルの手から、湿った音が鳴った。
その音に気付いたライルは、一旦手を緩める。
「はぁ…んっ…濡れ、てる…?」
アマリリスも同じく気付き、自らの股間に手を伸ばす。
「あぁっ、ほんとだ…!私の、濡れてる…!」
自分の身体から出てきた粘性の液体に触り、呼吸を整えながら笑みを浮かべた。
「…感じてるのか?先輩」
「そうなの…かな?感じるって、こういうことなんだね」
アマリリスは笑顔のまま、素直にそう答える。
そして、置かれた机のひとつに座り、ライルに向かって足を開いた。
「じゃあライル、ここに入れて」
アマリリスはあくまでも純粋に、濡れた自分の性器に指を当てながら促す。
「…僕は……」
「…?どうしたの、ライル?」
ここにきて冷静さを取り戻しつつあったライルは、大きな葛藤を抱えていた。
こんなことをしていいのか、と躊躇う一方、アマリリスによって味わわされた快楽が脳内を巡っていた。
あの快楽をまた味わいたい。
その感情はやがて理性を塗りつぶし、ライルはアマリリスの中に、未知の領域に入る意志を固めた。
ライルは、開かれたアマリリスの足の間に立ち、自分の性器を向けた。
「えっと、ライルは…やったことあるの?私以外の女の人と」
「…初めてだよ。悪いか」
「そうなんだ。じゃあ、ライルもどんなものか知らないんだね」
──上手くできるのだろうか。
自分のものを入れることによって、アマリリスが壊れてしまうのではないか。
衝動的なこの行為で、大事になってしまわないだろうか。
漠然とした不安が脳裏をよぎるが、今のライルにとってはもはや些事であった。
それほどに、自分の中に渦巻く快楽に支配されていた。
「じゃあ…行くぞ」
ライルはアマリリスの脚を掴み、再び勃起した己の肉棒を、アマリリスに押し当てる。
「んん…………あぁっ!!」
アマリリスは自分の中に異物が入る痛みに悶え、声を張り上げる。
ライルはその声に驚き、咄嗟に身を引こうとするが、アマリリスはそんなライルの首の後ろに手を回す。
「大…丈夫。今までに、比べたら…」
汗ばんで、顔を赤くしながらも、アマリリスはライルに向かって微笑んだ。
「続けて、ライル…」
アマリリスの手が一層強くなり、ライルはさらに引き寄せられた。
引き下がれなくなったライルは覚悟を決め、もう一度アマリリスと互いの恥部を重ね合わせる。
「うっ……ぐぅ……」
「ふっ……ん、んっ……!!」
ライルは力みながら、アマリリスの中へと自分の肉棒を押し進め、アマリリスはその痛みを、声を押し殺して耐えた。
やがて、アマリリスの性器にライルの性器が完全に収まった。
「入った…の…?」
アマリリスは、痛みに涙を流しながらも、満足げな表情を浮かべた。
「痛いけど…心地良い気もする。なんか不思議」
ライルは自分の性器が温かく包まれる感覚に酔いしれながら、新たな快感を得ようと腰を前後させる。
「んっ…うっ、んっ、んっ、ふっ、あぁっ!」
自分の中にあるものが引き抜かれ、再び入る度に、アマリリスの下半身に強い衝撃が来る。
何度も襲い来る感覚に、アマリリスの脳内は支配されていた。
アマリリスの手の力はさらに強くなり、2人の顔は、互いの息の熱さを感じられるほど近くなった。
自分のものをきつく絞められるような感覚、そして自分のすぐ近くにある、恍惚の表情を浮かべるアマリリスの顔。
それらはライルの肉欲をさらに高め、さらに激しく腰を振らせた。
「ふっ、はぁっ、はあ……!」
「ライ、ル…んっ、あっ、ああぁっ!!」
ペースを上げられたアマリリスは、突然来る衝撃に耐えきれず、叫びにも似た嬌声を上げた。
2人とも身体中に汗を浮かべ、一心不乱に行為を続けていたが、ライルは自身の下半身に熱い感覚が襲ってきたのに気付いた。
「んっ、ふっ……んんっ!!」
「んっ!?あっ、んぁぁっっ!!」
ライルは下半身の感覚に従うように一際大きく腰を振って、アマリリスの中を奥まで貫く勢いで突いた。
そして、我慢の限界を感じたライルは肉棒をアマリリスから引き抜き──
「ふあっ?……んっ!」
迸る白い液体を、アマリリスの身体に放出した。
「はぁ…はぁ……ライル、いっぱい出したね…」
アマリリスはライルから手を離し、自分の身体に付着した白い液体を触りながら笑顔を向けた。
***
教室の床で、ライルとアマリリスは力なく寝転んでいた。
「最悪だ…僕が欲に負けて、あんなことをしてしまうなんて…」
思考力が戻ったライルは、顔に手を当てて後悔を口にする。
だがその言葉とは裏腹に、彼の中には温かな幸福感のようなものがあった。
アマリリスはそんなライルの顔を覗きこんでくる。
まだ行為の疲れが抜け切れていないのか、顔は赤く、目はトロンとしていた。
「さっきのライル、子供みたいな顔してたね」
「…うるさい。アンタだって僕の前で何度も──んっ?」
ライルが言葉を言い終わる前に、アマリリスはライルに突然キスをした。
数秒唇を合わせた後、アマリリスは自分の舌を出し、ライルの口に入れようとした──
──だが、閉じたままの口には舌を入れられず、戸惑いながらライルの唇を少し舐めた後、唇を離す。
「……何のつもりだ」
「えっと…ごめんね。本で書いてたのをやりそびれちゃったな、と思って今やったんだけど、初めてだとやっぱり上手くいかないね」
「ふん…」
その後、アマリリスはライルのもとに近づき、ライルの身体に腕を回す。
「ライルとするの、気持ちよかったよ。痛いんだけど、なんか……ふわふわするような気分、と言うか…」
アマリリスはライルのもとに顔を寄せ、柔らかく笑う。
「ねえ、ライル。私、もっと色んなことを知りたい。知らないことはまだ沢山あるし、ライルのことも知りたいし、私の本当の力とかお姫様じゃない私の将来とか──」
「分かった分かった。僕の邪魔をしないなら、協力してあげますよ。──クラスメイト、ですから」
「…うん、ありがとう!」
アマリリスはライルに向かって、より一層ニッコリと笑った。
「じゃあ早速、探検の続きに行こうよ!まだ全然学校を回れてないよ?」
「………マジか」
これまでライルは『勝利』だけに固執し、自分の使える力を1人で磨き続け、弱い自分をひた隠しにして生きてきた。
だが今、ライルには、自分に寄り添う『先生』と、隣で自分と同じように学ぶ『クラスメイト』がいる。
「行こう、ライル!」
「おい、ちょっと待て!あと今やったこと、誰にも言うんじゃないぞ!」
「うん、分かった!私とライル、2人だけの秘密!」
──自分が籍を置いているあの教室が異常であることは分かっている。
だが、淡々と1人で学ぶのではなく、騒がしく、そして忙しない日々の中で学ぶこと、それも悪くない。
ライルはそう思いながら、教室の外へと駆け出す少女を追いかけるのであった。
広大な『学園』の中にある1つの教室。
そこにいる1人の少女──アマリリスは、たった1人のクラスメイトに向かって微笑む。
「……は?付き合う?」
名前を呼ばれた男子生徒──ライルは普段の澄ました顔を崩すが、すぐに調子を取り戻し、淡々と答える。
「お断りします。僕はまだあなたのことを全く知らないし、そんなものにかまけている時間もない。興味を抱くのは勝手ですが、それなら他をあたって──」
「…駄目かな?学校を見て回るのについてきてほしいな、って思ったんだけど…」
「…えっ、はっ??」
想定と違う返答に、ライルは再び冷静さを失った。
その様子を見ていた担任教師は、ニヤニヤと笑みを浮かべてライルに顔を向ける。
「いいんじゃないか?アマリリスは『学園』を知れて、案内を通して君たち生徒の仲は深まる。一石二鳥だ。なあ、ライル?」
「っ…そんなことはアンタがやればいいだろ、教師らしく!」
「それじゃ意味ないだろ?それに、厄介なことに私にはやらなきゃいけないことが山積みなんだ」
恥ずかしさに声を荒らげるライルをあしらい、教師は教室を出ていく。
「そういうことだ。楽しんでこい、お2人さん」
「あっ、おい!」
戸が閉まる音とともに、2人しかいない教室には暫しの静寂が訪れる。
「えーっと…それでライルは、来てくれるの?」
アマリリスは、少し困ったようにライルに顔を向ける。
ライルは、その場で少し考えた。
あの教師に押し付けられる形になったのは癪だが、曲がりなりにも先輩であるアマリリスの頼みを無下にはできない。
それに、これからこの教室で学ぶ上で、唯一のクラスメイトであるアマリリスと関わり、知っていくことは避けられない。
「そうですね、行きましょう」
──どうせ校内を少し歩き回るだけだ。
ライルはアマリリスを連れ、教室を後にした。
***
「ほらライル、早く行こうよ」
「ちょっ、ちょっと…待ってください…」
長い廊下の途中、軽快に足踏みをするアマリリスの横で、ライルは疲れを見せていた。
彼女が『学園』に関してほとんど何も知らないことは初日のやり取りから分かっていたが、彼女の知識の偏り、そして何より奔放さはライルの想像を超えていた。
「ねえライル、あそこに蝶が飛んでるよ!」
「せ、先輩?どこに行くんですか!」
「ねえライル、あの部屋は何?行ってみようよ」
「あそこは授業中です、入らないでください!」
「ねえライル、水が出てるよ!楽しそう!」
「あれは噴水と言って──ちょっと、入ろうとするな!」
「ねえライル、ここは何?入れるの?」
「入れるか!通気口だ!!」
このような感じで、気になるものや場所があればすぐさま駆け寄り、ライルに説明を求めることの繰り返しで、『学園』の施設や設備、制度を語る以前の問題であった。
当然こんな調子では1日で校内を巡れるはずがなく、授業が終わるとアマリリスがすぐさまライルを連れ出す日々が続くことになった。
初めてのことの連続に興奮するアマリリスに対し、彼女の好奇心のままに連れ回されるライルは肉体的にも精神的にも疲労していたが、自らのプライド、そして『御伽の姫』として『学園』の七不思議に数えられるほど謎に満ちたアマリリスに対する興味が、ライルに『学園』の案内を続けさせていた。
「それで、先輩…次は、どこへ…?」
「じゃあ…あそこかな」
アマリリスが指さした先にあったのは、図書室だった。
──助かった。
疲れきったライルは、素直にそう思った。
『御伽の姫』──つまりアマリリスは、ここではない「もう一つの図書室」に閉じこもっている、という噂話はライルも耳にしていた。
「もう一つの図書室」なるもののカラクリは分からないが、そんな環境に身を置いていれば本には慣れているはずだし、放っておけば一般教養くらいは身につけてくるだろう。
そうして本に夢中になってくれれば、これ以上歩かなくて済む。
そんなことを考えながら、ライルはアマリリスと共に図書室に入った。
「僕は適当に時間を潰すので、先輩も好きに本を読んでてください」
「うん、分かった」
ライルはアマリリスと別れて本棚に向かい、適当な本を何冊か見繕って手に取った。
自分の目的──『勝利』のための知識に貪欲だったライルにとっても、この図書室は縁の深い場所だった。
魔法や戦闘に関しては『学園』の蔵書を読破する程に図書室に通いつめていた彼にしてみれば、本選びも読書も手馴れたものだ。
そしてライルが机に向かい、読書に没頭していた時だった。
「ねえライル、これって…」
ここ数日で飽きるほどに聞いた言葉が、彼の集中を遮った。
不機嫌さを浮かべた顔でアマリリスに振り返ったライルは、彼女が自分に向かって本を開き、ある場所を指さしているのに気付いた。
そこに描かれていたのは──男女の裸体と、その身体構造について説明する図であった。
アマリリスが持ってきたそれは、紛れもなく性教育の本だった。
「えっ…これは…」
ライルは目を見開き、動揺していた。
図書室で一度も見たことがないような本を見せられたのもそうだが、メルヘンチックで、かつ好奇心に溢れた幼児のような面を見せていた彼女が突然このようなものを出してきたことはライルを驚かせた。
「っ…!行きますよ!」
「あっ、ちょっと、ライル!?」
動揺を抑えられないまま、ライルはこの様子を誰かに見られていないか確認した後にアマリリスの手を引き、早足で図書室を出た。
***
西棟の隅にある空き教室。
入口から遠く離れているために人通りが少ない上、普通の授業を嫌う『生徒派』たちにとっては無縁の場所であった。
それはライルにとっても同様で、ここならば誰も立ち寄らないと考え、この場所にアマリリスを連れ込んだのだった。
「──それで、僕に何を訊こうと?」
ライルは必死に冷静な表情を繕い、普段通りに話す。
これ以上情けない姿を見せるのは、彼のプライドが許さなかった。
「えっと…ここなんだけど…」
アマリリスはそんなライルの心中はお構いなしに、乱雑に置かれた机の上に本を広げる。
「ここに書いてる生殖っていうのは、ただの子供を作る手段…なんだよね?」
「そうです。生殖行為を通して子を産むことで、動物は種の個体数を保ちます」
──ただ彼女の疑問に答えるだけ。いつもやっていたことだ。
ライルはひたすらに自分に言い聞かせ、淡々と話す。
「そう…だよね?でもこの本だとね──」
それを聞いたアマリリスは、抱えていた複数の本のうちの別の本を開いた。
「すごく気持ち良さそうに書いてるの。男の人も女の人も」
アマリリスが指さしたのは、男女の性行為を濃密に描写した一文。
その本はいわゆる官能小説だった。
そんなものまで…
ライルはまたも動揺させられるが、それを表に出さないよう自分を律する。
「それは…この2人が互いを愛し、信頼しているから、じゃないんですか?」
「…愛し合うと、気持ち良くなるの?」
「…はい?」
アマリリスは態度を変える様子もなく、純粋な目でライルを見つめる。
「──私、ライルとやってみたい。一緒にしてくれる?」
「…一緒に?」
それはつまり──
アマリリスの発言の意味が分かった途端、ライルは辛うじて保っていた冷静さを完全に失った。
「何を言ってるんですか!?先輩、自分で何を言っているのか分かってるんですか!」
「ええっと、ライルは男の人で、陰茎…があるんだよね?できると思うんだけど…」
「そういうことではなく、そのような行為は親密な関係のもとで行うものです!僕と先輩は出会って日も浅い他人で──」
「他人じゃないよ。私とライルは『クラスメイト』だもん」
アマリリスは、真っ直ぐに目を向けてライルに迫る。
「ライルは私に付き合ってくれて、私が知らないことを沢山教えてくれた。私はライルのことを大事だと思ってるけど、それじゃ駄目なのかな」
「それは──」
違う、と言いきれなかった。ライルにもそんなことは分からなかった。
肉親である父に見捨てられたあの日から、ライルの根底にあったのは『認められること』それだけだった。
母が遺した力を磨くことも、『無謬の偶像』の名を得ることも、すべては己を認めてもらうための過程であった。
愛、信頼、親密。
口ではそんなことを言ったが、それが何なのか、ライルは知らなかった。むしろ、その答えを求めて生きてきたのだ。
「っ、分かっているのか!互いに裸体を、自分の恥部を晒すんだ!そんなこと、僕に対してできるのか?痛みだってあるし、第一子供でもできたらどうする!」
ライルはアマリリスから目を逸らし、質問に答える代わりにアマリリスの興味を失わせるよう言葉を紡いだ。
「ライルとならできる気がするんだけど…ライルは私とするの嫌?私のこと、嫌い?」
「いや、そういうことでは…」
なおも態度を変えず迫るアマリリスに対し、ライルはもはや言葉を考える余裕すら失っていた。
アマリリスがこんなことをするのは、彼女がまだ性について何も知らないからだ。
こんなことは間違っている。
この場を何とかするには──
ライルが考えを巡らせる最中、アマリリスはしゃがんでライルの股間に目を向けていた。
「男の人は興奮するとここが大きくなる…んだよね?」
アマリリスはそう言って、ライルのズボンを下ろし、性器を露わにした。
「男の人ってこんなものがあるんだ、不思議」
「馬鹿、何してる!それ以上は──っ!」
アマリリスはライルのそれをまじまじと見つめ、そして弄んだ。
先端に向かって指でなぞったり、つついたり、はたまた握ったり。
その手に恥じらいや躊躇いなどはなく、初めて見るものに対する好奇心だけがあった。
「────っ」
性器を刺激されたことで、ライルの興奮は高まっていった。
そのうちに彼のそれは膨張し、みるみるうちに持ち上がった。
「あっ…本当に大きくなった、それに硬い」
勃起した性器に触れながら、アマリリスはライルを見上げて微笑む。
「興奮してるんだね、ライル」
「ち、違う!これはアンタに触られたから反応しただけで──」
「えっと、次は…確か本では…」
「話を聞け!今度は何を…おい、やめ──っ!」
ライルが止めようとするのにも構わず、アマリリスは肉棒を咥え、舌でそれを舐めた。
「だめだ──うっ…!」
自分の脚を抱くアマリリスを引き剥がすことも出来ず、ライルは自身の性器を舐められる快感に溺れた。
アマリリスはそんなライルの反応を純粋な目で見て、舐め方を変えながら、ライルが快楽を覚える方法を試していた。
「んっ……ふっ……んぐっ…」
チュッ…チュパ…チュッ……
アマリリスの小さな口が、ライルのものを包み込む様子。
少し不自由に呼吸をしようとする声。
舌で舐め回す度に鳴る水音。
見えるもの、聞こえるものすべてが、ライルに襲い来る快感を後押ししていた。
最後の砦であった理性すら失った彼は、抵抗する力もなくアマリリスに向かって射精した。
「…!わっ!」
アマリリスは自分の口に流れてくる液体に気付き、慌ててライルから口と手を離す。
それと同時に、ようやく解放されたライルは力なくへたり込んだ。
「…んぐっ!これが、精液…あんまりおいしくないね」
アマリリスは舌を出し、顔に残った液体を手で拭き取りながら言った。
「……もう十分だろ。こんなこと…」
ライルは自分が過ちを犯したことを悔いて、ズボンを履き直して教室を出ようとする。
だが、アマリリスは後ろから彼の手を握り、去っていく彼を止めた。
「──駄目。まだ、ライルしか気持ち良くなってない」
アマリリスは、いつも柔らかく微笑む様子からかけ離れた、不機嫌そうな表情を浮かべていた。
その態度は、まるで気に入った玩具を取られた子供のようだった。
「…これ以上、何をするって言うんだ」
「決まってる。最後までするの、2人で」
そう言いながら、アマリリスは自身の制服に手をかけていた。
ライルが口を挟む暇もなく、アマリリスは身につけていたものを全て脱ぎ、ライルの前に自分の身体を見せた。
アマリリスの身体はライルよりもずっと小柄で、かつ華奢であった。
だが、年頃の女性らしく丸みを帯びており、そしてその病的なまでに白く滑らかな肌は、外の世界とは無縁の生活を送っていた彼女の特異さを如実に表していた。
ライルの記憶の中では、同年代の女性の裸体を目の前で見たことなどなかった。
初めての経験と、アマリリスの身体の魅力に取り憑かれたライルは、言葉を発することもできずにただ立ちつくすだけだった。
「ほら、ライルも脱いで。裸にならないと」
未だ呆然とするライルは、アマリリスに促されるままに服を脱ぎ、再び彼女の前に恥部を晒すことになった。
「えっと…興奮してここが濡れる、らしいんだけど…本当なのかな」
アマリリスは恥じらう様子もなく、自らの秘部を押さえていた。
「ねえライル、触ってみて。本では、身体の色んな所を触ったり、撫でたりしてた」
「…本当に、やるのか?」
欲に包まれ、抵抗する気力もないライルにとっては、尻込みすることが精一杯だった。
「いいから、触ってみて」
だがその態度も、アマリリスに導かれて股間にある割れ目に触れた途端に崩壊した。
目で見て感じた以上にその肌は滑らかで、絹か何かかと思うほどに指が滑っていった。
もっと触りたいという欲に駆られたライルはそのまま右手でアマリリスの秘部を愛撫し、左手で彼女の身体をなぞった。
「あっ…んっ………ふわぁっ!?」
アマリリスは自分の性器を、そして身体のあちこちを撫でられる快感に声を漏らしていたが、ライルの左手が胸の先端に触れた時、一際大きく甲高い声を上げた。
いつも儚げで落ち着いた話し方をする彼女からは考えられない程の善がり声を聞いたライルは俄然興奮し、触る手をさらに速めた。
アマリリスが感じる部分を的確に撫で、かつ傷つけずに優しく触れる。
ライルは欲望のままにアマリリスを弄びながらも、自分の唯一の武器であった人形を自在に使うために訓練した手の技術を遺憾無く発揮していた。
「っ…そこ、きもちぃ…んっ!」
アマリリスが乳首に対して過敏になっていると分かったライルは、そこを重点的に触れ、摘み、さらに感じさせた。
触るごとに膨らんでいき、感触が硬くなっていくのが感じられた。
先程まで性的な感情より興味が先行していたアマリリスも、絶えずやってくる快楽には耐えられず、ライルにもたれかかる。
その顔は紅潮し、息も上がっていた。
くちゅ。
アマリリスの秘部を擦るライルの手から、湿った音が鳴った。
その音に気付いたライルは、一旦手を緩める。
「はぁ…んっ…濡れ、てる…?」
アマリリスも同じく気付き、自らの股間に手を伸ばす。
「あぁっ、ほんとだ…!私の、濡れてる…!」
自分の身体から出てきた粘性の液体に触り、呼吸を整えながら笑みを浮かべた。
「…感じてるのか?先輩」
「そうなの…かな?感じるって、こういうことなんだね」
アマリリスは笑顔のまま、素直にそう答える。
そして、置かれた机のひとつに座り、ライルに向かって足を開いた。
「じゃあライル、ここに入れて」
アマリリスはあくまでも純粋に、濡れた自分の性器に指を当てながら促す。
「…僕は……」
「…?どうしたの、ライル?」
ここにきて冷静さを取り戻しつつあったライルは、大きな葛藤を抱えていた。
こんなことをしていいのか、と躊躇う一方、アマリリスによって味わわされた快楽が脳内を巡っていた。
あの快楽をまた味わいたい。
その感情はやがて理性を塗りつぶし、ライルはアマリリスの中に、未知の領域に入る意志を固めた。
ライルは、開かれたアマリリスの足の間に立ち、自分の性器を向けた。
「えっと、ライルは…やったことあるの?私以外の女の人と」
「…初めてだよ。悪いか」
「そうなんだ。じゃあ、ライルもどんなものか知らないんだね」
──上手くできるのだろうか。
自分のものを入れることによって、アマリリスが壊れてしまうのではないか。
衝動的なこの行為で、大事になってしまわないだろうか。
漠然とした不安が脳裏をよぎるが、今のライルにとってはもはや些事であった。
それほどに、自分の中に渦巻く快楽に支配されていた。
「じゃあ…行くぞ」
ライルはアマリリスの脚を掴み、再び勃起した己の肉棒を、アマリリスに押し当てる。
「んん…………あぁっ!!」
アマリリスは自分の中に異物が入る痛みに悶え、声を張り上げる。
ライルはその声に驚き、咄嗟に身を引こうとするが、アマリリスはそんなライルの首の後ろに手を回す。
「大…丈夫。今までに、比べたら…」
汗ばんで、顔を赤くしながらも、アマリリスはライルに向かって微笑んだ。
「続けて、ライル…」
アマリリスの手が一層強くなり、ライルはさらに引き寄せられた。
引き下がれなくなったライルは覚悟を決め、もう一度アマリリスと互いの恥部を重ね合わせる。
「うっ……ぐぅ……」
「ふっ……ん、んっ……!!」
ライルは力みながら、アマリリスの中へと自分の肉棒を押し進め、アマリリスはその痛みを、声を押し殺して耐えた。
やがて、アマリリスの性器にライルの性器が完全に収まった。
「入った…の…?」
アマリリスは、痛みに涙を流しながらも、満足げな表情を浮かべた。
「痛いけど…心地良い気もする。なんか不思議」
ライルは自分の性器が温かく包まれる感覚に酔いしれながら、新たな快感を得ようと腰を前後させる。
「んっ…うっ、んっ、んっ、ふっ、あぁっ!」
自分の中にあるものが引き抜かれ、再び入る度に、アマリリスの下半身に強い衝撃が来る。
何度も襲い来る感覚に、アマリリスの脳内は支配されていた。
アマリリスの手の力はさらに強くなり、2人の顔は、互いの息の熱さを感じられるほど近くなった。
自分のものをきつく絞められるような感覚、そして自分のすぐ近くにある、恍惚の表情を浮かべるアマリリスの顔。
それらはライルの肉欲をさらに高め、さらに激しく腰を振らせた。
「ふっ、はぁっ、はあ……!」
「ライ、ル…んっ、あっ、ああぁっ!!」
ペースを上げられたアマリリスは、突然来る衝撃に耐えきれず、叫びにも似た嬌声を上げた。
2人とも身体中に汗を浮かべ、一心不乱に行為を続けていたが、ライルは自身の下半身に熱い感覚が襲ってきたのに気付いた。
「んっ、ふっ……んんっ!!」
「んっ!?あっ、んぁぁっっ!!」
ライルは下半身の感覚に従うように一際大きく腰を振って、アマリリスの中を奥まで貫く勢いで突いた。
そして、我慢の限界を感じたライルは肉棒をアマリリスから引き抜き──
「ふあっ?……んっ!」
迸る白い液体を、アマリリスの身体に放出した。
「はぁ…はぁ……ライル、いっぱい出したね…」
アマリリスはライルから手を離し、自分の身体に付着した白い液体を触りながら笑顔を向けた。
***
教室の床で、ライルとアマリリスは力なく寝転んでいた。
「最悪だ…僕が欲に負けて、あんなことをしてしまうなんて…」
思考力が戻ったライルは、顔に手を当てて後悔を口にする。
だがその言葉とは裏腹に、彼の中には温かな幸福感のようなものがあった。
アマリリスはそんなライルの顔を覗きこんでくる。
まだ行為の疲れが抜け切れていないのか、顔は赤く、目はトロンとしていた。
「さっきのライル、子供みたいな顔してたね」
「…うるさい。アンタだって僕の前で何度も──んっ?」
ライルが言葉を言い終わる前に、アマリリスはライルに突然キスをした。
数秒唇を合わせた後、アマリリスは自分の舌を出し、ライルの口に入れようとした──
──だが、閉じたままの口には舌を入れられず、戸惑いながらライルの唇を少し舐めた後、唇を離す。
「……何のつもりだ」
「えっと…ごめんね。本で書いてたのをやりそびれちゃったな、と思って今やったんだけど、初めてだとやっぱり上手くいかないね」
「ふん…」
その後、アマリリスはライルのもとに近づき、ライルの身体に腕を回す。
「ライルとするの、気持ちよかったよ。痛いんだけど、なんか……ふわふわするような気分、と言うか…」
アマリリスはライルのもとに顔を寄せ、柔らかく笑う。
「ねえ、ライル。私、もっと色んなことを知りたい。知らないことはまだ沢山あるし、ライルのことも知りたいし、私の本当の力とかお姫様じゃない私の将来とか──」
「分かった分かった。僕の邪魔をしないなら、協力してあげますよ。──クラスメイト、ですから」
「…うん、ありがとう!」
アマリリスはライルに向かって、より一層ニッコリと笑った。
「じゃあ早速、探検の続きに行こうよ!まだ全然学校を回れてないよ?」
「………マジか」
これまでライルは『勝利』だけに固執し、自分の使える力を1人で磨き続け、弱い自分をひた隠しにして生きてきた。
だが今、ライルには、自分に寄り添う『先生』と、隣で自分と同じように学ぶ『クラスメイト』がいる。
「行こう、ライル!」
「おい、ちょっと待て!あと今やったこと、誰にも言うんじゃないぞ!」
「うん、分かった!私とライル、2人だけの秘密!」
──自分が籍を置いているあの教室が異常であることは分かっている。
だが、淡々と1人で学ぶのではなく、騒がしく、そして忙しない日々の中で学ぶこと、それも悪くない。
ライルはそう思いながら、教室の外へと駆け出す少女を追いかけるのであった。
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このページへのコメント
海外に輸出されてて草
めちゃくちゃ良かった もっとこの2人の絡みがみたい…見たいぞぉーーーーーーーー
今更この項目見つけた
良SSはもっと知られるべき
人形使ってるから手先が器用って設定の使い方が斜め上でエロシーンなのに滅茶苦茶笑った
ありがとう…ありがとう…