実際には、冥府エルフとしてスタンダード期、ダークネス・エボルヴ期と環境を席巻し、シャドバプレイヤーに大きなトラウマを刻み付けたカードである。
冥府がこれほど暴れた理由として、
新たなる運命と相性がよかったことがある。
新たなる運命は「手札をすべて捨て、捨てたカードの枚数引く」といういわゆる手札交換カードの一種である。
捨てた手札はもちろん墓場にカウントされるため、そのカードで一気に墓場を稼ぐことが可能となった。
そしてシャドウバースの仕様として「トークンカードも墓場にカウントされる」ことと、エルフという「トークンを手札に加えるクラス」ががっちり組み合わさり、7〜8ターンで墓場を30枚溜めて冥府を起動し全体6点で相手を焼き尽くすデッキが完成し、冥府は一躍有名になった。
転機が訪れたのはバハムート降臨。
それまでアミュレット破壊が少なく場に出せばほとんど対処されなかったところを、看板カードである
バハムートの効果によって他のカードごと焼き払われる事態が発生した。
その結果、他のアミュレットカードを軸としたデッキと同じく大ダメージを受け、また冥府エルフというデッキタイプが一向に強化されずにインフレの波に置いて行かれたこともあり、徐々に使用率を下げ、環境を席巻するほどではなくなった。
一方、カードプールの広がりにより他のクラスでも墓場を肥やしやすくなり、上手くデッキを組めば他のクラスで冥府を使うこともできるようになってきた。
冥府エルフ自体も完全に死んだわけではないため、今でも見かけることは少なくないだろう。
独特なデッキ構築やプレイングを要求されるものの、それをこなせば強力な効果で勝ちに導いてくれる、そんなカードと言えるだろう。
時は変わりSTR前期…
やつは帰ってきた
ネメシスに
機構の解放というカードが追加され専用構築を組めば4ターン冥府起動が可能になったためである。
もともとネメシスは冥府への道とは相性は良かったのではあるが、
機構の解放追加により更に相性が良くなったのである。
機構の解放を使いリソースを確保しつつ更に
加速装置でppを回復して墓場を稼ぐ。
更に専用構築を組まなくても現在のネメシスの環境デッキには
デウスエクスマキナ、
加速装置、
機構の解放が入ってるので
7ターン目頃には普通に起動できる。
糞ゲ
リバース・オブ・グローリーでは、このカードを場に出す効果を持っている
冥界神・ハデスというカードが実装された。
詳しい説明は当該カードのページに譲るが、こちらも環境で活躍している。
更にWUP期、今度はネクロが
生まれ変わった魂の番人・ミントのデメリットを
沈黙の詩で打ち消すことで墓場を一気に稼ぎ、なんと
5ターン目に冥府を2枚起動することすら視野に入るというデッキを作り上げた。
デスタイラント2枚で26点や、進化デスタイラント→冥府を置いて21点など、6ターン目には確殺するレベルの爆発力を見せ、一躍ガチデッキとして躍り出ることとなった。
FOH期には、
でたらめな接合などが追加され、冥府起動前の処理能力にも秀でた冥府ウィッチが頭角を出し始め、さらに
アーティファクトスキャンが追加されて冥府プランを狙いやすくなった前述のAFネメシスでも、採用率が上がっている。
初期からあるカードとはいえ、フィニッシャーとして十分な力を持つことは上述した通り。
さらに墓場が3稼げる
マシンエンジェルを筆頭とし、
プロダクトマシーンの展開に秀でた機械軸、
ナテラの大樹を張り替えることで、ドローと墓場稼ぎが両立できる自然軸とも相性が良い。
ニュートラルカードということもあり、今後も環境に対応できさえすれば、また違ったクラスから飛び出してくるかもしれない。
カードゲームの奥深さを見せてくれる良カードと言えるだろう。