むかしむかし
あるところから、妖怪たちが歩き始めた。
| 百鬼夜行 | |
| コスト:1 | スペル |
|---|---|
| クラス | ネクロマンサー |
| レアリティ | ブロンズ |
| タイプ | - |
| パック | UCL |
| CV | - |
| イラストレーター | Akefumi |
| 葬送したなら、ネクロマンサー・フォロワーをランダムに1枚、自分のデッキから手札に加える。 「元の攻撃力か元の体力が1のフォロワー」を葬送したなら、1枚ではなく2枚手札に加える。 | |
フレーバーテキスト
概要 
第15弾カードパック「アルティメットコロシアム」にて登場したブロンズのネクロマンサー・スペル。
何気に1コストで葬送できる初のカード(トークンを除けば)。ソウルテイカー・ララと合わせれば5ターン目に氷獄の王・サタンを着地させたり、アンリミテッドならダークアリスやデュエリスト・モルディカイにつなげられる。
1コストという抜群の軽さ・更に「攻撃or体力が１」のフォロワーは妖怪系カードたちの他にも該当するものが多く、葬送札と言うよりは優れた手札交換カードとして大活躍している。
ただ2枚使って2枚引くので手札は増えていない点は注意。ドローソースとしてアテにしてると手札枯渇を起こすので、火車やトート、ソルコンおじさんらと併用してあげるのもよいだろう。
…ただし今度はドロー過剰になってドローロックを引き起こす可能性もあるので注意。
ちなみに、盤面が埋まっている時や手札にフォロワーか1枚も無い時でも空撃ちが可能。手札を減らす手段としては覚えておいて損はない。
と、登場した辺りでも既に相当便利なカードだったが、アンリミのカードプールが広がるにつれて更に高いポテンシャルが露になっていった。
アンリミではもはや「百鬼夜行で2枚ドローできる」ことが一種のステータスになるほどに影響力が強く、普通ならケルヌンノスの下位互換のような性能をしている陰鬱な死霊術師が大真面目にケルヌンノスと枠争い出来る立場になるほど。
単純な手札交換ながら内在しているアドバンテージは大きく、例えば
- 「墓地が2枚増えてデッキの枚数が2枚減る」→死期を視るもの・グレモリーを高速起動
- 「手札のフォロワーを切らさず葬送を行える」→葬送を連打し続けたい葬送ネクロの動きを安定させる
- 「ネクロマンサー・フォロワーを2枚サーチできる」→骸の王などのキーカードを高確率で引き込む
このように、アンリミで主要な戦術たちに対しても幅広い貢献ができてしまう。
時代が進むごとにその評価は上がり続けており、今やネクロの基盤カードと言っても過言ではない。
余談
不動の呪を唱へ居たるに 夜中ばかりにやなりぬらんと思ふほどに人々の声数多して来る音すなり。
見れば手毎に火を灯して百人ばかりこの堂の内に来集ひたり。近くて見れば目一つ着きたるなどさまざまなり。
人にもあらずあさましき物どもなりけり、あるいは角生ひたり 、頭もえも云はず怖ろしげなる物どもなり。
『宇治拾遺物語』-修行者百鬼夜行に逢ふ事 より
百鬼夜行(ひゃっきやぎょう,ひゃっきやこう)とは、日本の説話に登場する妖怪たちの行列である。
ちなみに読み方は本来「ひゃっきやぎょう」が正しいとされるが、「やこう」と読み間違えられ続けた結果こちらでもOKということになった。シャドバでもやこうの方で呼ばれている。甲賀もそうだし日本語ではよくあること。
設定は説話によって異なるが、夜中に鬼や妖怪が群れ歩いてることがあり、これに遭うと死んでしまうとされる。
「百鬼夜行に遭ったけどお経唱えたら助かった」みたいな感じで仏教の宣伝に利用されることも多かった。現代に至るまで様々な百鬼夜行絵巻が残されている。
また、日本では生物無生物問わずあらゆるものに魂が存在してると考えられており(有名なのは付喪神、あとは仏教の教えが変容を起こした結果日本では草木さえ成仏できるとされている。)、それが妖怪という発想に至ったとされている。
因みに近代でもこの日本特有の発想はあり、例えばゆるキャラは生物であろうが無生物であろうが擬人化してしまってる。日本恐るべし。
余談 その2
このカードが発表された時、イラスト右上の日輪のようなものが「空亡(そらなき/くうぼう)」という妖怪ではないか？という噂がシャドバ民の間で流れた。おそらく火車の体の一部で空亡ではないと思われるが、百鬼夜行に関わる非常に面白い妖怪なので補足解説。
長いので折りたたみ
余談 その3
フレーバーテキストの『異形闊歩ノ話』一覧
――『異形闊歩ノ話：百鬼夜行ノ事』
むかしむかしあるところから、妖怪たちが歩き始めた。
今の今でもあるところで、妖怪たちは歩いておるそうな。
――『異形闊歩ノ話：先頭ノ童』(座敷童)
てんてん手鞠をつきながら、童が唄うて過ぎてった。
みな恐れて逃げようにも、なんでかそこらでつまづいた。
――『異形闊歩ノ話：口伝座敷童』(座敷童)
おってくれる間はええが、出ていったらしまいじゃ。
あの童はな、運気を連れて行ってしまうんじゃろう。
――『異形闊歩ノ話：前列ノ女』(雪女)
右往左往の人々に、女が吹雪を連れてきた。
一寸先もよう見えず、雪と風が悲鳴も呑んだ。
――『異形闊歩ノ話：口伝雪女』(雪女)
ありゃあ女じゃねえ、冬の山の化身様に違いねえ。
人っ子に出来るこたあねえ、ああおっかねえ……。
――『異形闊歩ノ話：中央ノ火』(火車)
動けん逃げれん氷漬けの町に、飛ぶ車が火を降らした。
寒いと泣いておった口が、次は熱いと喚き散らした。
――『異形闊歩ノ話：口伝火車』(火車)
弔いは人の権利だろうに、あれはそれまで盗っちまう。
これで死んだ者たちは、一体何処へ行くんかの。
――『異形闊歩ノ話：後列ノ鬼』(酒呑童子)
炎に巻かれてあえぐ者らを、鬼が次々刻んでいった。
賽の河原の積み石を、崩すがごとくの無惨じゃった。
――『異形闊歩ノ話：口伝酒呑童子』(酒呑童子)
酒で刃を洗うのは、供養でねえ。また人を斬るためだ。
あげなものを呼ぶのなら、ひとでなしの他ねえわ……。
――『異形闊歩ノ話：百鬼夜行ノ事』
むかしむかしあるところから、妖怪たちが歩き始めた。
今の今でもあるところで、妖怪たちは歩いておるそうな。
――『異形闊歩ノ話：先頭ノ童』(座敷童)
てんてん手鞠をつきながら、童が唄うて過ぎてった。
みな恐れて逃げようにも、なんでかそこらでつまづいた。
――『異形闊歩ノ話：口伝座敷童』(座敷童)
おってくれる間はええが、出ていったらしまいじゃ。
あの童はな、運気を連れて行ってしまうんじゃろう。
――『異形闊歩ノ話：前列ノ女』(雪女)
右往左往の人々に、女が吹雪を連れてきた。
一寸先もよう見えず、雪と風が悲鳴も呑んだ。
――『異形闊歩ノ話：口伝雪女』(雪女)
ありゃあ女じゃねえ、冬の山の化身様に違いねえ。
人っ子に出来るこたあねえ、ああおっかねえ……。
――『異形闊歩ノ話：中央ノ火』(火車)
動けん逃げれん氷漬けの町に、飛ぶ車が火を降らした。
寒いと泣いておった口が、次は熱いと喚き散らした。
――『異形闊歩ノ話：口伝火車』(火車)
弔いは人の権利だろうに、あれはそれまで盗っちまう。
これで死んだ者たちは、一体何処へ行くんかの。
――『異形闊歩ノ話：後列ノ鬼』(酒呑童子)
炎に巻かれてあえぐ者らを、鬼が次々刻んでいった。
賽の河原の積み石を、崩すがごとくの無惨じゃった。
――『異形闊歩ノ話：口伝酒呑童子』(酒呑童子)
酒で刃を洗うのは、供養でねえ。また人を斬るためだ。
あげなものを呼ぶのなら、ひとでなしの他ねえわ……。