バルバロス(Barbarus)とは「赤ひげ」を意味するイタリア語・
バルバロッサ(Barbarossa)のトルコ語訛り。恐らく、16世紀に活躍した海賊のバルバロス兄弟から取られたと思われる。
バルバロス兄弟の兄ウルージは殺生を好まない性格だったと伝わっており、弟と共に現在のチュニジアやアルジェリアの辺りを支配してそこを拠点とし、地中海で活動していた。
ウルージがスペイン軍との戦いによって命を落とした後は、弟のハイレディンが「バルバロス」の仇名と海賊団を引き継ぎ、オスマン帝国の支援
*1も受けてスペイン軍を打ち倒した。
兄弟が興したバルバリア海賊は19世紀にアルジェリアが陥落するまで活動しており、オスマン勢力に地中海における覇権と、100万人にものぼるスペインやイタリアなどからの奴隷を齎した。
また、「蛮族」「気性の荒い土人」「野蛮人」を意味するギリシャ語でもある。赤髭を指すバルバロスとは関係ない語だが、ダブルミーニングかもしれない。