パンドラ(パンドーラー)はギリシャ神話の登場人物で、神話中では人類初の女性であるとされている。
神が人間に罰を与えるために生み出されたパンドラは開けてはいけないという箱を神から渡されて地上に送られる。
パンドラがこの箱を好奇心に負けて開けてしまうと中からは疫病、悲しみ、犯罪などといった災いが噴出してしまう。
パンドラが慌てて箱を閉じても既に遅く、最後の1つを残して箱の中の災いは世界にあふれ出してしまっており、箱の中に残っていたのは希望であり、これによって人間はどのような苦境にあっても希望を捨てずに頑張ることができるのであると言われている。
このエピソードから要らんことをして災いを引き起こすことを「パンドラの箱を開ける」という慣用句が生まれた。
なお、パンドラの箱には希望が残ったが、この希望も災いの一つであり、箱の中に希望が残ってしまったがために人間は最後まで希望を捨てることができず苦しみ続けなければならないといった解釈も存在している。
あるいは、この希望は原典ではギリシャ語の「エルピス」であり、これを予知とする解釈もあり、これは「悪いことが起きるのは辛いことだが、そんな悪いことがこれから起きるということを知るというのが最も辛い事である」ということである。
パンドラやパンドラの箱はかなりメジャーな存在であり、神話に詳しくなくても「なんとなく開けちゃいけない物」として広く認識されているため、様々な作品にパンドラモチーフのキャラクターが登場する。