瞳術は「甲賀忍法帖」の主人公、甲賀弦之介が使用する忍法。『害意をもって攻撃を仕掛ける相手に対して、その害意を跳ね返す』というもので、術者の眼光を見た者に強力な催眠効果をかけ、味方や自身にその攻撃意志を向けさせることで同士討ちや自害を誘発できる。
『いかなる兵法者、忍者といえども、相手をみずして相手を斃すことはできない。しかも、弦之介と相対したとき、見まいと思っても、目が、弦之介の目に吸引されるのだ。』と原作中で評されるように、瞳術は敵対者に必滅の結果を与える。
その危険性は敵である伊賀鍔隠れ衆の重鎮である薬師寺天膳の口から早い段階で語られていて、伊賀屋敷で瞳術によって伊賀者6人が瞬く間に倒された際には本拠地において圧倒的に数で勝る伊賀陣営が恐怖と警戒のあまり総員金縛りの体たらくを見せている。
しかし、瞳術を使用できるのは弦之介だけではない。敵方、伊賀の頭領である朧もまた瞳術の使い手であった。彼女の瞳術は「忍法の無効化」である。忍びな忍法を用いて戦うこの作品において、忍法無効化は最強のメタである。
*1例えるなら常にミュニエの効果を発動してようなもん。やばいね。しかし、本人に制御が不可能なために周りの戦いの邪魔にならないよう、自分で目を塞ぐこととなる
これだけ見ると瞳術は最強の能力だと思うだろう。しかしどんな能力にも弱点はあり、
- 眼光を媒介として催眠をかける&忍法を無力化するために、敵対者が盲目だと効果がない
- 使用者の目が薬などで潰されてしまうと使えない
が上げられる。
*2
このため、物語の中盤は強力無比な瞳術の封印のために伊賀が必死の暗躍を進め、終盤は明かぬ瞳のために引き起こされる如法暗夜の悲恋で物語は幕を閉じることと相成る。
悲恋は悲しい!