このキチゲの溜まったルナ.gifをコマ別に分けるとこうなる
ウィリアムが2つに千切れて吹き飛ぶ様子がよくわかる。
アニメーションで重要な部分は"力の流れ"が不自然で無い事が一つとして挙げられる...筈。
昔、MUGENの動画等で出来がちょっとアレな自作キャラ等を見たことがある人は分かると思うが、例えば殴るモーションを作るとして腕だけ動かすのはとても不自然である。
殴り方にも依るが、足、腰、背中、肩...殴るだけでも動かすべきところはたくさんある。
話しをこのキチゲルナに戻す、足を上げ、背中を反らし、肩が少し緊張で引き締まる。
ウィリアムの首の動きが遅れてついてきたところで足を振り降ろし、腰をいれてウィリアムを叩きつけて両断。
欲を言えば頭も思いっきり頭頂部が見える位降っても良かったとは思うし足を振り下ろした後膝をもう少し折り曲げても良かったかもしれない。
ただ全体の力の流れが表現されているのがわかってくれたと思う。
どういった動作をするかにも依るけど。
アニメーションのコマで存在するなら必ず描いた方が良い部分がある、切り替わる部分、動きの始め部分がそれにあたる。
例えば歩いたり走ったりする時、右足と左足が交差して入れ替わる部分を描かないと途端に歩行が成立しなくなる。
両足の入れ替えが分かりづらくなり、その場で足をバタバタさせているように見えるからだ。
動きの始め部分を描かないと上手く言えないが人間らしさを失う事になる、いわゆるゴキブリダッシュの様な・・・
虫とかを描くならそれこそ無視しても良いかも(エボ
このキチゲルナで言えばどこが切り替わりや動作の始めにあたるか。
それはウィリアムを持ち上げていざ床に叩きつけるといった力の方向の切り替わりと振り下ろしの動作の開始を兼任した部分である。
このコマがそれにあたる、そのコマだけを抜いたキチゲルナのgifがこちら
たった1コマ抜いただけだが、持ち上げてから叩きつけるまでの流れが急すぎて不自然、またはあまり力が入ってないように見える。
こういったコマは必ず描くようにしよう。
それとウィリアムを叩きつける瞬間、ウィリアムとルナの腕がブレているコマがある。
このブレている部分の描き方だが、大きめ、長めに描く、より言えば大げさに描くとよかったりする。
最終的に動きが止まる地点を少しはみ出すぐらいで良い。
迫力が増すのはもちろんだが、案外これが理に適っていたりする。
リアルでストレートパンチを中空に決めてみよう、腕は戻さなくて良いが体が泳がないようにきちんとパンチは止めよう。
すると実際にパンチが止まった地点とパンチが届いた距離に差がある。
パンチを止める為に少し体が引き戻されるのが理由できちんと現実に即した表現でもあるのだ。
こういった動きの流れの緩急をタメとツメと言うこともある。
ちなみに筆者はこのキチゲルナを描く際に実際に枕を床に叩きつける奇行を何度も行っている。
重要なコマを判断し必ず描く。
ブレるような激しいコマがある場合は前後のコマを先に描いた方が楽なことが多い。
力の流れ、切り替わり、緩急を意識する。
直線的な動き"のみ"で作らない。