ブリキとは鉄の表面を錫(スズ)でコーティングした素材のこと。安価で錆びにくいため、昔はオモチャの材料としてもよく用いられた。19世紀〜20世紀にかけてはブリキで出来た兵隊の人形が男の子のオモチャの定番だった。
またアンデルセン童話に「しっかり者のスズの兵隊」というお話がある。イラストでも片足が無いので、恐らくこのカードの元ネタはこのお話だろう。
ある男の子の誕生日祝いに、古い錫(スズ)のさじから作られた25人のスズの兵隊が送られた。その中の最後に作られた兵隊は、材料のスズが足りなくなり一本足であった。
そんな一本足のスズの兵隊は、やがて同じ家に居た紙を切り抜いてできた踊り子の人形に思いを寄せるようになる。その踊り子は一方の足で立ち、もう一方の足を高く上げていた。一本足の兵隊は踊り子も自分と同じ片足であり、彼女が自分のお嫁さんにぴったりだと考えたのだった。
あくる朝、兵隊は窓から道ばたに落ちてしまう。町の子どもが兵隊を拾い、面白がって紙で作った船に乗せて溝へ流してしまった。流された兵隊は滝から落ち、最後には魚に飲み込まれてしまう。
魚は人間に捕まえられ、偶然にも男の子の家に買われてもとの場所に戻ったが、男の子は片足しかないスズの兵隊には興味がなく、暖炉の中に兵隊を放り込んだ。
兵隊が燃えていくなか、風が吹き、紙の踊り子は風に乗って暖炉の中にいる兵隊のそばに飛ばされた。燃え尽きる紙の踊り子に寄り添うように一本足のスズの兵隊もだんだんと溶けていった。
次の日に暖炉の灰をかき出すと、兵隊はハート型の小さなスズのかたまりになっていた。
(wikipediaより抜粋)