冷静で目端が利くため、「バニー&バロン」は彼が主体となることで組織だっている様子。一方で相棒の無事と計画の遂行以外は(自分のことすら)眼中にないようで、視野の狭さが欠点として挙げられる。
元々はスラム街生まれで肉親もおらず、自力で生活するために大勢の人間を殺害して生計を立てていた。そのため、保安官補らには「亡霊《スペクター》」として名が通っている。
*1
とある任務で失敗を犯して殺されかけた時にバニーに助けられ、そこから相棒と共に、巨人《タイタン》に支配された世界の天秤を「こちら側に傾ける」ために活動することを決意する。
俺はもう、自分のために罪を犯さない。
世界のために罪を犯す。
得物はダブルライフルのように見える。
認識阻害魔法《ジャミング》という魔法の使い手のようで、戦闘の補助や顔割れを防ぐために使っている。
また幻術なのか!?*2
さぁ!あらゆるものを取り返そうか!
《ゲット・エヴリシング・バック!》
最終章(ネタバレ注意!!)
バニーと共に
アイシィレンドリングを殺すため、富裕街へ向かったバロン。
そこでバニーに事前に仕込んでおいた認識阻害魔法《ジャミング》を使うように促しながら、アイシィの部下を無力化していく。
その途中、バロンたちと同じくアイシィを殺すことが目的の
イルガンノと遭遇。協力することになる。
だが、そこに突如
ゼシルウェンシーが乱入。バニーとイルガンノを逃がし、1人で彼と戦う。
俺と彼女にあるのは大義だ。
為すべきことがある。
世界を壊す必要がある。
そのために俺たちはここに居る。
バニーのことを知ったように語るゼシルと押し問答を繰り返し、認識阻害魔法《ジャミング》を使ってゼシルを殺害し続ける。
ゼシルを生かす魔力が切れるまで彼を殺し続けようとするバロンだが、致命傷を受けたゼシルが肉体から離れることで、元の肉体が死ぬ様を見せつけられる。
民間人を殺していたという事実を突きつけられ、アイシィを殺し善とならなければならないバロンの心には少なからず迷いが生じる。
そこにさらに
異形に取り囲まれて集中攻撃を受けてしまい、絶体絶命の状況に立たされる。
自分の勝ちを確信し笑うゼシルに対し、バロンは「
亡霊《スペクター》は死なん」と告げる。
誰が亡霊《スペクター》の存在を知っている?
俺はこの稼業について以来、認識阻害魔法《ジャミング》を解いたことはない。
誰も俺の顔を知らない。俺のことを知らない。
認識阻害魔法《ジャミング》さえ使えれば、それは亡霊《スペクター》。
俺が死んでも、切り札がいる。
認識阻害魔法《ジャミング》を仕込んだバニーこそが次の亡霊《スペクター》となること、自分が死ねば、バニーはより強くなり、巨人《タイタン》さえ倒す力になることを言い残すも、そんなバロンの姿を「
犬死にだ」と断ずるゼシルによって無慈悲にも殺害される。