保安官補に追われている青年を発見し、『暴力をするのもされるのも見るのも好きではない』という理由で撃たれそうになっているところに介入する。
保安官補からの銃撃を受けるも、難なく保安官補を撃退。その力を見た青年、
イスタは「彼女」の名前は「イルガンノ」であると教え、復讐への協力を提案したが、実際はイルガンノを利用してアイシィレンドリングを殺害し、自分が巨人《タイタン》になり変わろうと考えていた。
2人は一旦別れ、イルガンノは仲間の異形と話していたところ、異形に襲われていると勘違いした
セリーナが異形2体を射殺。イルガンノはセリーナに激昴するも、当然セリーナにとっては支離滅裂な内容であり、セリーナは討伐不可能と判断し一時撤退。その際頭部に撃ち込まれた謎の弾丸を不思議に思っていた時、
フローゼスが現れる。
フローゼスは
- 『何度も見ているから知らないことの方が少ない』
- 『「イルガンノ」は半分死んでいて半分生きている』
- 『「イルガンノ」の心臓は特別製』
- 『アイシィは殺人に刃物など使うまでもなく強く、よって、「殺人鬼はもっと近くにいる」』
という趣旨の助言を残し姿を消した。
助言の意味を理解しかねるイルガンノはしばらくしてイスタの仲間のごろつきに会う。彼ら曰く「『イルガンノ』を殺したのはイスタ」ということであり、イルガンノは先の助言と合わせて「イスタ=殺人鬼」と解釈する。
一方その頃、イスタはイルガンノという強力な手駒を手に入れたことからルンルンであったが、仲間から情報を売られていた為アイシィの部下から襲撃を受け、殺されそうになるもののイルガンノが乱入。
そのイルガンノも行動方針をイスタの殺害に変更していた為、イスタは彼女からも逃走するも捕捉され、瀕死に追い込まれる。
イスタを嘲笑するごろつきはイルガンノにも「イスタが『イルガンノ』という女を殺したことこそ事実だが、その『イルガンノ』はイルガンノと似ても似つかぬ風体だった」という衝撃的な事実を告げる。
回想/真実への接近
「■■■■」は自身の過去を思い出していた。
優しい父と母、そして最高の姉。「■■■■」の姉は両親が魔力を持たないのにも関わらず、先天的に強力な魔力と読心能力を備えていた。
しかし、それは「■■■■」の魔力が「■■■■」ではなく、姉に宿っていた為であり、彼女は姉とは対照的に病弱になっていた。
時が経ち、手先が器用な「■■■■」は編み物が特技となり服屋を開くのが夢になっていた。この幸せが続くと思っていた矢先、刃物を持った男に家族が襲われ両親は死亡、「■■■■」及び彼女の姉は致命傷を負ってしまう。魔力を使う事で「■■■■」か姉のどちらかだけは助けられるという事を告げられる。姉のことを心より尊敬し、大切に思っていた「■■■■」は「姉さんが生きて」と告げたが────
姉は『大好きだよ。ずっと、いつまでも』と微笑み、彼女から出た光は
「■■■■」の中に入っていった。
人の心を読むことができた彼女は「■■■■」の内心の「生きたい」という気持ちを知り、
自分の生存を放棄した。
イルガンノは、姉を殺したのは「心より姉の為に献身出来なかった
『自分自身』だった」と絶望する。