服、銃、車、列車など、レヴィールにおけるあらゆる物を彼が持つ『紅玉財団』が独占して作っているらしく、その存在感は計り知れない。富裕層の人間には、自身の庇護対象であることを示す『印』を刻んで、より貧富と身分の差を明確化してきていた。
面倒事を避けたがる口ぶりの割には無駄に好戦的だったり、人を食ったような態度でやたらくるみに例えるなど、ナハト・ナハトと同様、圧倒的な力に裏打ちされた尊大な自信を持つ。
「運命相克編」のストーリー開始時点から何かを企んでいるらしく、事情聴取のために直接会いに来た
マイザーにその件を問い質されるがすっとぼけている。
また、魔法として
自分の『奪われたもの』を『奪い返す』呪いが使えるらしく、その相手はアイシィ本人の発言などから金品に限らず魔力や生命力をもも奪われるもよう。
この能力の最大の特徴は
『奪われたもの』の定義は本人が決めることができるというチート級のもの。
終盤には、彼を倒すために
ナハト・ナハトと
バニー&
バロンは手を組んだ。
君を狙って撃った弾は、62発。
かけて4340ゴールド。
そこに転がる間抜け共の治療費を10人分。
かけて50000ゴールド。
……そして私をイラつかせてくれた代金。
これは必ず100000ゴールド。
しめて154340ゴールド。
この恨み、返してやる。
最終章
その正体はレヴィールを作った神の分け身の一人。
タイタンはあくまでも神の力を受け継いだだけの人間とされていたが、アイシィは分かたれた神そのものであった。
たびたび病身であることがアッピルされていたのはこのためで、レヴィール創世より存在してきた肉体は既に余命僅かの状態だったようだ。
ストーリーのクライマックスでは襲撃に訪れた
アリサと
バニーに対して己が神であることを明かし、試練と称して真っ向から応戦する。
二人に部下を撃破した代償として相当量の呪いを与え、更に自分が生み出したもの(つまりレヴィールのほぼあらゆる存在)による攻撃が効かないという凄まじい除去耐性を披露。一時は勝負を優勢に進めるが、一般異世界渡航エルフであるアリサの力は有効であった。
渾身の呪いを
マナという未知の力でかき消され呆然していたところでアリサの矢が突き刺さり、その命が奪われた。
アイシィレンドリングを射つ
自分の『奪われたもの』を『奪い返す』呪い
しかしそれはすべてアイシィの計画通り、それどころか望外の結果ですらあった。
アイシィにトドメを刺してしまったアリサは
最期の呪い、命を奪い返すための呪いを受けてしまう。
敢えて他者に命を奪われることで『奪われたもの』を『奪い返す』呪いを起動し、加害者の肉体ごと命を奪い返して延命することこそが目論見だったのだ。
しかし単純に殺されるには「呪いは自動で発動するために生半可な人間ではアイシィが死ぬより先に呪い殺されてしまう」、「レヴィールのものによる攻撃が効かない」といった障害があった。
各方面に敵を作ったあげく戦争を引き起こしたのは、動乱を乗り越えて自分を殺しに来るような猛者を選別するためである。(ただし後述の「儀式」の準備もしていたため、まるっきり敵をつくるためだけに動いていたわけでもないようだ)
それでも本来ならばレヴィールにいる限り「レヴィールのものによる攻撃が効かない」縛りが重すぎて到底殺されることなどできなかったはずだったのだが……
「異世界から飛んできたので攻撃を通せて」「戦闘能力が高く」「悪事をすれば討伐しにきてくれて」「目論見を看破できるような機知がなく」「ついでに美少女」「あとシャドバ世界で明言されてはいないが、一般に長命とされる」というご都合主義の塊みたいなエルフが飛び込んできたので無事肉体を簒奪することができたのだった。
仮に誰にも殺されなかった場合にも「儀式」と呼ばれる行為によって延命が望めたようだが、詳細は不明。
ただ、人々に刻んでいた印が鍵となるようで、儀式に至らなかったものの印を刻まれたものは
異形に変貌、世界を蹂躙した。
余談
アリサの肉体を簒奪するときのウッキウキっぷりは語り草であり、TS願望おじさんだのバ美肉おじさんだの散々な名前で呼ばれることになってしまった。
また、アリサの肉体を奪い取ったところで運命相克編が終わってしまって、その後のTSアイシィはほとんど描写されていない。サイゲ無能。
また中の人は派生作品の
TVアニメ「シャドウバース」で
レオン・オーランシュの役で出ておりこちらでもラスボスをしており、ネメシスクラスも当然使う