おんJシャドバ部

シャドバがリリースされ、まず最初に注目を浴びたNカードは恐らくサタンであろう。アポカリプスデッキの圧倒的な決定力からフィニッシャーとして重宝され、みんなデッキに忍ばせていたので一部では「サタンゲー」とも称されていた。
デッキの洗練が進むと、多彩なコンボを持つウルズ、高い守備性能を誇るゴブリンマウントデーモン、そして環境初期を支配した「冥府エルフ」の主軸となった冥府への道と新たなる運命の活躍が目立つように。それと忘れてはならないのがベルエンジェル。当時は扱いやすいドローソースとして多くのデッキで採用され、その耳に残るりんごんボイスから、シャドバのマスコット的キャラクターとして認知されるようになっていった。

その他の主なカード

• 風神
• デモンストライク
• ルシフェル

初の拡張パックとなった今弾で最も環境に影響を与えたNカードは死の舞踏。フォロワーを確定破壊しながらついでに与える2点ダメージが非常に強力で、様々なデッキに投入された結果いわゆるファッティの価値が激減した。また初めての実用的なアミュレット対策とも言われたオーディンも、コントロール系のデッキの多くに採用された。
また前期ではマイナーだったエンジェルバレッジが、体力1フォロワーへのメタカードとして注目され多くのデッキが積むようになったのも特筆点。

その他の主なカード

• ダークエンジェル・オリヴィエ
• ヒーリングエンジェル　

※STD収録のカードだが、回復をトリガーにしたエイラの祈祷ビショップに採用され大活躍した。

• インペリアルマンモス

何といってもその後シャドバに多大な影響を与え続けることになったバハムートの存在が大きいだろう。
その圧倒的なスタッツ、豪快な全体破壊効果で発表時から大きなインパクトがあったが、意外にもROB環境ではまだそれほど活躍していなかった。最もバハムートを活かせるランプドラゴンが強力なパーツを多数得たTOG以降その威力を発揮することになる。
ROB環境で最も活躍したNカードはミニゴブリンメイジとそれを呼び出せる歴戦の傭兵・フィーナ。2コストフォロワーのサーチ効果を利用しリノセウスを手札に集めるOTKデッキが猛威を振るったほか、様々なデッキに投入されていた。その結果ミニゴブはNカードとしては初めてのナーフ処分を受けることになった。
またもう一人のNレジェサハクィエルも当初は地味だったがルシフェルとのコンボが次第に注目され始め、次弾以降はコントロールデッキの常連になっていった。

その他の主なカード

• 天弓の天使・リリエル
• ウリエル
• 覇食帝・カイザ

新レジェンドカードとして、デカいスタッツ+大胆な効果を持つゼウスとイスラーフィールが登場。
特にイスラーフィールは前弾のサハクィエルとの強力なコンボで一世を風靡。盤面を更地にしながら手札に帰っていく様は「サハイスラ」と呼ばれ恐れられた。
そしてやはり見逃せないのが、ゴールド枠の風の軍神・グリームニルだろう。3/2/3守護というのは当時それだけで既にオーバースペック気味であり、その上エンハンス10で盤面・顔面に4点を刻む強力無比な効果を持っていた。完全にオーバーパワーである。
これらのカードを最も強く使えたのが、PPブーストを持つドラゴンクラス。騒嵐環境は「ドラネクバース」とも呼ばれるドラゴン・ネクロの二強時代だったが、そのドラゴン側を支えていたのがニュートラルの高コストフォロワー達であった。
不思議な世界以前では最もニュートラルが活躍した時代と言えるだろう。
バハムートが交互に投げつけられ、「メンコ」という蔑称が広まったのもこの時期である。

その他では、後に長く骸の王の相棒として活躍し続ける凍りづけの巨象、ルールに強く介入する力比べ・彷徨の詩人・エルタ、デッキを参照する均衡の大梟など、独特な効果を持ったカードも多く登場している。
特に力比べはヘヴンリーイージスとのコンボが問題視され、ナーフを受けることにもなった。

主なカード

• ゼウス
• イスラーフィール
• 風の軍神・グリームニル

「ニュートラルクラスに注目した新たなカード」という謳い文句。名指しでの強化で、ついにニュートラルは覚醒した。
その筆頭は不思議の探求者・アリスと言って間違いないだろう。ファンファーレで場と手札のニュートラルフォロワー全てに激励の舞を思わせるバフをかける。
当然体力もバフするため、先攻なら並べたフォロワーでそのまま相手のフォロワーを全て上から取れ、そうなると後攻側はもうどうしようもなくなってしまう。これが所謂「123アリス」である。
毎ターンゴブリンを生成するゴブリンリーダーはアリスとの相性が極めて良いシステムフォロワーであり、「取れなかったら負け」という先行ゲーを助長した。
環境では、圧倒的トップ「ニュートラルヴァンプ」を始めとして「ニュートラル○○（クラス名）」というようなデッキが多数登場。
ゴブリンや天弓の天使・リリエル、歌劇姫・フェリアなどの下級フォロワーはほぼすべてのデッキに採用されていたといっても過言ではない。
少し重めのヘクトルや屈強な山岳隊長も、その高いカードパワーを活かして多くのデッキで活躍した。

……いくらなんでも暴れすぎた。
史上最大となる15枚のナーフの中で、ニュートラルからもグリームニル・アリス・ゴブリーの三枚が下方修正。ニュートラル環境はいったんの終息を見せ、アリス達も再び環境に上がることはなかった。残念でもないし当然

主なカード

• 不思議の探求者・アリス
• ゴブリンリーダー
• ダラダラ天使・エフェメラ・魔海の女王……WLD環境では活躍の場がなかったが、後に大暴れしてナーフされることになる。

前弾の反省からか、看板のゾディアックデーモンは微妙な性能。
もう一枚のレジェンドであるロキ共々環境での活躍は見られなかったが、独特な効果はコンボデッキやおもちゃ、はたまた検証など違った形で活躍していたと言える。
その一方で、純心の歌い手や天界への階段という超強力なドローソースが二種登場。特に後者は当初1コストであらゆるデッキに積まれており、二か月後にあえなくナーフ処分（2コストに変更）となった。
環境での活躍という点では、WLDの負の遺産・ダラダラ天使・エフェメラが円卓会議とタッグを組み大暴れ。アグロロイヤルを環境へと押し上げたが、こちらは一か月でナーフされた。
ニュートラル軸に絞っても、ナーフを逃れたニュートラルエルフが未だ生存していた。
また、ミスターフルムーンはかのヘヴンリーイージスを無力化できる存在として話題になった。

主なカード

• ロキ
• 純心の歌い手
• 天界への階段

アンリミテッドとローテーションが分離。
依然活躍するランプドラゴンへの調整として、ついにバハムートにナーフが行われた。
……が、「アミュレットは破壊しない」という能力変更の結果無謀なる戦との新たなシナジーが誕生。魔海の女王と手を組んだバハムートはメンコから走るメンコへと進化し、CGS環境も活躍し続けた。
WLDの生き残り・ニュートラルエルフも覇食帝・カイザやイスラ―フィールなどを投入しながらしぶとく高い勝率を残しており、ROB・TOG期のニュートラルカードの完成度の高さを伺わせた。
新カードの中ではミル戦法が可能なクロノスが目を引くが、ハッピーピッグや堕天など、シンプルだが使いやすいカードも多い。
前者はニュートラルエルフで、後者は先述の無謀なる戦を始めとするシステムアミュレット対策として、長く活躍することになる。
また財宝の地図は、あらゆるデッキで鳳凰の庭園が置ける可能性の獣としてホモたちに愛用された。
そして環境終了時、魔海の女王がナーフ。これにより無謀ドラゴンはもちろん、多くのネタデッキが消滅してしまった。

主なカード

• クロノス
• 堕天
• ハッピーピッグ